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●内容 | 中東・アフリカ・南アジアなどの、イスラム教徒(ムスリム)が多数を占めている地域は、一般に「イスラム世界」として一括りにされることが多い。9月11日テロをはじめとして、様々な事象が「イスラム世界」と結びつけて語られる。しかし、イスラム教徒という共通点を除けば、いわゆる「イスラム世界」の実態が極めてバラエティに富んだ人たちの集まりであることは、キリスト教世界・仏教世界などと変わるところはない。信仰に対する人々の態度も様々である。私たちは「イスラム世界」という言葉を安易に用いた現代世界の現状説明が、いかに乱暴で非現実的であるかを理解し、きめ細かく偏りのない世界認識を持つように心がけねばならない。この点に関する啓蒙活動に関心を有する団体・企業・自治体があれば、講演・出版などの活動に共同で取り組みたい。 | ||||
●研究者 |
教授
羽田 正
東洋文化研究所 西アジア研究部門 |