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●内容 | 乳幼児は、文字より前に話し言葉を習得する。両親とのコミュニケーションを通して習得する。発達心理学では音声模倣と呼ばれるが、父の声色や母の声色を真似るのではない。あくまでも自身の声で言葉を話す。彼らはまだ聞こえた声を平仮名(音韻)に落とすことはできず、当然、個々の平仮名を声に変換することもできない。音の何を真似ているのだろうか? この研究室では、音声を数学的に処理し、話者(男性女性・若年老人・感情移入など)による修飾を除いた、音声の骨格部分を取り出す方法を見出した。この骨格部分は、音声から音の情報を排除して残る、特有の「動き」であると考えられる。多くの音声サンプルからこの「動き」を抽出することによって、話者に依存しない真の意味での音声認識が可能となる。この解析手法を応用することにより、音声認識・感情同定・外国語発音矯正・障害者の発声訓練など、様々な応用が可能となる。さらに、脳科学や言語学などとの共同による新たな発展が期待される。このような新規な音声・言語・情報処理に関心を有する企業のコンタクトを待つ。 ちなみに,九官鳥は飼い主の声(音)そのものを真似て来る。市販されている全ての音声認識ソフトは、音と音を直接比較する枠組みで構築されている。即ち、九官鳥の音声模倣を指向した枠組みであると考えることができる。 |
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●研究者 |
教授
峯松 信明
大学院工学系研究科 電気系工学専攻 |
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