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整理番号 4567   (公開日 2008年08月04日) (カテゴリ 医学・薬学農林水産・食品
脳の自律的な性分化とその分子機構
●内容 従来、哺乳類の脳の性分化(行動)は生殖腺の性分化に従属すると考えられてきた。また、社会的には、生物学的な性と精神面での性の不一致で悩んでいる「性同一性障害」の増加に伴い、脳の性分化と生殖腺の性分化の相互的な関係に関心が集まっている。
この研究室では、最近、有羊膜類に属する爬虫類と鳥類において、脳の性分化と生殖腺の性分化の関係を考える上で重要な発見をした。即ち、爬虫類のヒョウモントカゲモドキは、高温度(34℃)の環境下で生まれた雌の方が低温度(26℃)の雌より、雄で見られる攻撃的行動をより多く現す(図1)。このことは、トカゲの脳には生殖腺の機能制御と性行動の発現制御に関わる脳の部位が独立して存在していることを意味している。この現象の解明を進めた結果、生殖腺の性分化が進んでいない時期の脳において、雄が多く生まれる温度で発現が上昇する遺伝子と温度に依存して発現が上昇する遺伝子が存在していることを明らかにした。また、鳥類であるニワトリでも、生殖腺の性分化前の時期の脳で、steroidogenic factor-1(SF-1) 遺伝子の発現が雄で多く発現していることも発見している(図2)。これらの結果は、脳には生殖腺の性分化と同調して性分化する部位と生殖腺とは独立して自律的に性分化する部位が別々に存在していることを強く示唆している。
ヒトと同じ有羊膜類である爬虫類と鳥類におけるこれらの研究結果は、「sex」と「gender」に対する理解を深めると共に、「性同一性障害」の捉え方、及び対処法についても重要な知見を与えると思われる。このような研究に興味をもつ企業・団体と連携の用意がある。
また、爬虫類と鳥類の性別産み分け法に手掛かりを与える可能性も持っており、これらを飼育、繁殖させている動物園や養鶏の研究者、並びに企業・団体と連携して研究することも可能である。
●研究者
准教授 朴 民根
大学院理学系研究科 生物科学専攻
●画像


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図1.ヒョウモントカゲモドキは孵卵時の温度で性が決定されており、求愛時の雄は攻撃的行動を、雌は受容的な行動をとる。一方、雌には低い温度で生まれるものと高い温度で生まれる雌が存在するが、この両方の雌の求愛行動には大きい違いがみられる。
(C) 朴 民根

図2.ニワトリの生殖腺の内分泌学的性分化は孵卵6.5日以後に完成されるが、それより早い時期での脳でSF-1 mRNA発現量に性差がみられる。すなわち、この遺伝子発現は生殖腺からの性ホルモンの影響を受けず、脳内での自律的な機構によって現れた現象と考えられる。
(C) 朴 民根
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上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
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