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整理番号 5041   (公開日 2009年08月18日) (カテゴリ バイオテクノロジー医学・薬学
癌間質を標的とした新規な癌の増殖・浸潤・転移を抑制する分子標的治療法の開発
●内容 癌と周囲正常間質細胞間の相互作用は、様々な種類の癌細胞の増殖・浸潤・転移に重要である。この相互作用に主体的に関わるテネイシン-Cの機能を標的とした治療法は多種の癌の増殖抑制に応用することが可能であると考えられる。
現在の抗癌療法(化学療法や分子標的治療法)の主流は直接癌細胞を死滅させることである。しかしながら癌細胞を死滅させる治療でも完全に癌細胞を死滅させることはできない。また、癌細胞自身が抗がん剤に耐性になってしまい治療が無効になってしまい、患者のQOLを著しく低下させてしまう。また、癌治療においては、早期発見、早期治療が求められるばかりか、癌との共存についても研究が進められている。
この研究室は、腫瘍の発育過程のごく初期より、癌細胞と癌細胞の周囲に集まってくる正常線維芽細胞の相互作用が、癌細胞の増殖・浸潤・転移や血管新生に必要であり、その細胞間相互作用には細胞外マトリックステネイシン−Cが重要な役割を演じていることを見出した。テネイシン-Cは、特に悪性度の強い癌ほどその発現が強く、転移との関連を示唆することも報告されていることから、癌の予後を推測させる因子とも言われている。
この研究室は、この分子の機能を中和する抗体療法を開発した。本治療法は、他の抗体治療法とは異なり、癌細胞を直接死滅させる治療法ではなく、癌細胞の微小環境を標的として、癌細胞の増殖や浸潤・転移を抑制する分子標的治療法である。現在までのところ、この抗体による癌の成長抑制と転移抑制効果を、種々のヒト癌細胞を移植したin vivo実験で確認しており、米国特許を取得した。
今後、臨床治験を実施すべくヒト化抗体の作成を目指している。共同開発に興味のある企業の参加を募集する。また、研究の詳細について知りたい企業の連絡を待つ。

図1:腫瘍成長過程において、腫瘍細胞及び周囲線維芽細胞がテネイシン-C(TNC)を発現し癌間質を形成している。1A&2A(ヒト及びマウスTNC交叉抗体)は、腫瘍内ばかりでなくその周囲の間質部(矢印)にもTNC沈着していることを示している。一方、1B&2B(ヒトTNC特異抗体)は、ヒト腫瘍が発現するTNCは腫瘍内に限局しており、間質部(矢印)には沈着していないことを示している。
図2:ヒトメラノーマ細胞をヌードマウス皮下に接種し、腫瘍化させ、抗TNC抗体を投与4週間後、腫瘍の成長が抑制されていることを示している。抗TNC抗体の認識するエピトープの違いによって抑制効果に差がみられる。
●研究者
特任教授 日下部 守昭
大学院農学生命科学研究科 食の安全研究センター
●画像


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ヒトメラノーマ細胞移植腫瘍におけるテネイシン−Cの発現(免疫組織化学)
(C) 日下部守昭

抗テネイシン-C抗体投与による腫瘍の成長抑制効果
(C) 日下部守昭
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上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
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