新着情報 テーマカテゴリ 全カテゴリバイオテクノロジー医学・薬学農林水産・食品環境・エネルギー素材機械情報・通信エレクトロニクス航空・宇宙大気・海洋経済・経営・政策・法律土木・建築社会・文化・教育基礎科学 ごあいさつ ご利用にあたり 検索方法 プライバシーポリシー ご意見・ご質問 実例集 見つからない場合は? DUCRホームページへ トップページ geta_logo
print
印刷時に縮小されてしまう場合などにご利用ください。

整理番号 6315   (公開日 2012年09月21日) (カテゴリ バイオテクノロジー医学・薬学農林水産・食品環境・エネルギー
根の緑化により光合成能力を向上させた植物の作出
●内容 根は「植物の隠れた半分」とも呼ばれ、植物全体の約半分のバイオマスを占める器官である。根は環境に適応して様々な機能を発揮することが知られている。
植物の根は潜在的に光合成を行う能力を備えていると考えられるが、これまで、植物の根がどのような環境条件で緑化するか、またその緑化に関わるシグナルの研究は非常に少ない。
そこで、当研究室において、モデル植物のシロイヌナズナの根を観察したところ、光が当たる環境においても葉緑体の分化はほとんど起こらず、クロロフィルの合成は低く抑えられていたが、地上部を切り離した根では、クロロフィルの合成が活性化し、緑化が引き起こされ、根の細胞で葉緑体の分化を抑制している仕組みを初めて明らかにした。
つまり、通常は光合成を行わない根の細胞も、環境に応じて葉緑体を分化させる能力を持っていることを示している。これには、植物ホルモンであるオーキシンとサイトカイニンが深く関与しており、植物の発達や環境に応じて葉緑体の分化をコントロールすることが、本研究において初めて明らかとなった。 さらに、この調節機構を応用することで、白色の根の細胞においても葉緑体の分化を誘導し、緑色の光合成を行なえる器官に変換することに成功した。
今後、本研究の成果を利用すれば、1)植物工場における植物の生産性を革新的に効率化させる、2)葉の緑化を調節できる、3)葉を常緑化できる、など幅広い応用が可能であると考えられる。
色素体の分化機構を分子レベルで明らかにできれば、様々な器官で、色々なタイプの色素体を発達させることが可能となることから、植物の生産性向上の検証及びスケールアップに関する実証実験に興味をもつ企業等との連携を希望している。
なお、研究の詳細については下記のサイトを参照されたい。
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/masuda_lab/Masuda_Laboratory/Welcome.html
●研究者
准教授 増田 建
大学院総合文化研究科 広域科学専攻
●画像


クリックで拡大

植物の進化に伴った色素体の分化

色素体は、太古の昔にシアノバクテリアが細胞内共生することで植物細胞にもたらされ、光合成を担う葉緑体として主に機能してきたと考えられる。しかし、植物が多細胞化し多様な役割を持つ細胞が生まれるのに伴い、色素体も葉緑体だけでなく、それぞれの細胞のタイプに応じた色素体に分化するようになったと考えられる。
(C) 増田 建

根の緑化を調節する仕組み

通常は、根の細胞では、地上部から輸送されるオーキシンにより葉緑体の分化が抑制されている。しかし、ソースである地上部を失うと、オーキシンによる抑制が解除されるとともにサイトカイニンの効果により、葉緑体の分化が起こり、光合成が活性化する。
(C) 増田 建

葉緑体の分化を誘導し、緑化した根

葉緑体分化に関わる転写因子GLKを過剰に作らせた根(GLK1ox及びGLK2ox)では、葉緑体の分化が誘導され、顕著に緑化した。下図の赤色の点は、葉緑体に蓄積したクロロフィルの蛍光を示しており、緑化の度合いを表している。
(C) 増田 建
mail
上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
本件に関する共同研究等のお問い合わせは、左のバナーをクリックしてください。スタッフがお問い合わせをお受けいたします。