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整理番号 6463   (公開日 2013年05月01日) (カテゴリ バイオテクノロジー医学・薬学基礎科学
DNA損傷修復機構を標的としたがん治療
●内容 この研究室では、がん等の原因となるDNA損傷に対する細胞の応答機構の解明をふまえた治療医学の確立を目指している。
正常の細胞はDNA損傷を修復するシステムを有するが、がん細胞においてはDNA修復系のバランスが崩れていることが多く、それを補完するために特定のDNA損傷修復経路の機能が亢進している場合がある。従来の放射線治療や抗がん剤治療は、がん細胞にDNA損傷を与えることにより細胞死を誘導する治療法であるが、このように特定のDNA修復経路の機能が亢進しているがん細胞には治療が効きにくくなるという問題がある。
そこで、がん細胞におけるDNA損傷修復経路を解明し、正常細胞に存在せずがん細胞においてのみ特異的に存在する異常に着目することによって、DNA修復系を標的としたより有効ながん治療が可能となる(図1)。例えば、特定のDNA損傷修復経路の機能低下があるがん細胞では、その機能低下を補完するように働いている別の修復経路を阻害する薬剤を分子標的薬として用いることで、がん細胞のみを選択的に死滅させることができる(図2)。このようなDNA損傷応答からDNA修復に至る各過程において働く重要な分子を標的とした阻害剤の開発が進められており、一部については臨床試験も始まっている。
また、個々のがん細胞におけるDNA修復能力の違いは放射線治療や抗がん剤治療に対する感受性を大きく規定することが想定されるため、DNA修復分子を治療感受性予測マーカーとして個々の腫瘍においてその発現レベルと機能を治療前に調べることにより、より適切な治療法の選択につながる。
このようにDNA損傷修復研究の成果は、がん治療における分子標的治療や個別化治療への応用という形で臨床医学に大きな影響を与えようとしている。有効な治療法の発展には、研究で得られた科学的知見が臨床の場において正しく活用されることが重要であり、この研究室では情報交換・コンサルテーションなど、創薬・治療法開発を進める企業・団体との連携を希望している。
●研究者
教授 宮川 清
大学院医学系研究科 疾患生命工学センター
●画像


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DNA修復蛋白質を標的としたがん治療の増感効果

放射線や抗がん剤によってDNAが切断されるが、通常は修復蛋白質がそれを修復する。その修復蛋白質の機能を阻害することにより、DNA損傷性治療の効果が増強される。
(C) 宮川 清

「合成致死(Synthetic lethality)」を利用したがん治療の概念

DNA修復において特定の損傷に対して主として働く修復系が存在する一方で、それがうまく働かない場合には別の修復経路が補完するように働く仕組みがある。
この原理を利用すれば、単独のDNA修復阻害剤の使用により正常細胞に影響を与えずにがん細胞のみを選択的に死滅させることができる。
(C) 宮川 清
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上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
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