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整理番号 6591   (公開日 2013年12月26日) (カテゴリ バイオテクノロジー医学・薬学農林水産・食品エレクトロニクス
ナノ流体デバイスを用いた長いDNAの迅速分離方法を開発
●内容 ヒトゲノム解析に伴い、ゲノム解析の臨床への応用、発症のメカニズム解析、ゲノムの機能解析の解明の重要性が増してきている。さらに、2003年にヒトゲノムの配列解析が修了し、新たにポストゲノムシークエンス解析が非常に重要となっており、ゲノム情報に基づいた創薬・医療・食品などへの応用と個人のゲノム情報によるテーラーメード医療の実現のため、研究が急速に進展しつつある。ゲノムの解析のみならず、トランスクリプトーム解析、プロテオーム解析、メタボローム解析、グライコーム解析等などにより、塩基配列情報に基づく転写産物の発現や、遺伝子産物(タンパク質)、生体内代謝物、糖鎖などの機能を解明し、それによって、疾患発症機構が解明されることにより、疾病メカ二ズムを総合的に解明する分野も台頭してきた。言わば、個人の遺伝子パターンや状態に応じた治療、ゲノム診断情報を用いた予防医療、ゲノム解析に基づき病気の原因となるタンパク質を狙い撃ちする分子標的薬などのゲノム創薬といった、革命的な変化が医療・医薬業界にもたらされるだろう。このようにDNA周辺分野の研究が急速に進展し、またシークエンス技術の高速化によって解析対象が激増する一方で、DNA実験技術がボトルネックとなっており、ポストゲノム研究における大きな課題となっている。DNAを始めとしてタンパク質などの生体高分子の分離プロセスは、分析・精製などを始めとしゲノム・プロテオーム研究全てを支える非常に重要な基盤技術である。中でも長いDNA分子の分離は病原菌の同定やDNAマップの作成など広く応用可能な技術であるが、現在主に用いられているゲル電気泳動では長いDNA、2万塩基対(base pairs:bp)以上は分離出来ない。現在DNA分子の分離技術として広く用いられているPulsed Field Gel Electrophoresis(PFGE)によって20kbp以上の分離が可能になったが、24時間以上のプロセスが必要となる。またマイクロ加工技術を用いた手法が提案されているが、複雑なプロセスで高価な装置が必要となる。電気泳動に限らずDNAの新しい解析技術は多数提案されているが、そのどれもが高度な実験設備を必要とし、複雑なプロセスを用いたスループットの低いものであり、PFGE等主流の技術を置き換えるには至っていない。そこで簡易なプロセスで作製でき、実験室で使用可能な新しいDNA分離技術が必要とされている。本研究室では、これまで短時間に、簡易に分離できなかった20kbp以上の長いDNA分子を極めて短時間に分離でき、かつ特殊な条件を必要としない高性能・ハイスループットなDNA分離ナノスリットデバイスを安価かつ簡易なプロセスで作製し、その有用性を示した。ナノスリット空間上に閉じ込めたDNAの挙動を観察したところ、溶媒の導入時の圧力差によるDNA分子の挙動の変化が確認された。ここからナノ空間において長いDNAに対し電気泳動と流体圧力を同時に加えて迅速な分離を実現できた。このような研究に興味を持つ企業との共同研究が可能である。
●研究者
教授 金 範埈
生産技術研究所 附属マイクロメカトロニクス国際研究センター
●画像


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図1.Zigzag nanochannel and single DNA
シャドウマイクロパターンで製作したシリコンのナノチャネルとマイクロチャンバーのDNA分離デバイス
(C) 金 範埈

図2.DNA separation
ナノスリットデバイスにおける電気泳動と圧力勾配の同時印加によるDNA分離方法
(C) 金 範埈
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上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
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