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整理番号 7024   (公開日 2015年08月12日) (カテゴリ バイオテクノロジー医学・薬学農林水産・食品
リーシュマニア原虫症の治療用組換え犬ジステンバーウイルスの開発
●内容 リーシュマニア原虫症は、サシチョウバエを媒介昆虫とし、ヒトやイヌ等に感染して皮膚および内臓に重篤な病巣を形成する人獣共通感染症である。ヒトでは88カ国1200万人の感染者がおり、毎年100〜200万人が新たに感染していることから、WHOの緊急対策を要する感染症の一つにあげられている。この保有宿主ともなるイヌで感染を防ぐことはヒトへの感染防止対策として有用と考えられるが、未だ有効なワクチンは開発されていない。
この研究室では、原虫に対する有効なワクチン開発を目的として、リーシュマニア抗原を発現する予防用組換え犬ジステンバーウイルス(CVD)ワクチンの開発に成功した。これはYanaka株を元株とし、リーシュマニア抗原としてLACK、TSA、LmSTI1を選択し、CDVリバースジェネティクス系により作出した組換えCDV(LACK−CDV、TSA−CDV、LmSTI1−CDV)である。
この組換えCDVは、元株Yanaka株と比べ、ウイルス増殖能は維持されている。また、接種したイヌの体温・リンパ球数・臨床所見のいずれにおいても変化がないことから、病原性はなく、安全であることも確認できている(図1)。CVDワクチンとしての抵抗性誘導能については、これら組換えCVDで免疫後に、リーシュマニアを接種し、その増殖抑制機能により検証した結果、単独の免疫効果としては、LACK−CVDで最も顕著な抵抗性付与効果を認めた。さらに、TSA−CVD、LmSTI1−CVD、LACK−CVDを混合して摂取した犬は、リーシュマニア結節の増大を抑制するのみでなく消失も早め、この組換えCDVの有効性を示している(図2)。
このように、本組換えCDVは、リーシュマニア原虫症に対する多価ワクチンとして安全かつ有効と考えられ、治験を行い、実用化を進めることはリーシュマニア原虫症の感染拡大防止につながるものと考える。関心を持つ企業等との連携を希望する。
●研究者
教授 甲斐 知恵子
医科学研究所 附属実験動物研究施設
●画像


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図1 組換えCDV接種イヌの実験結果

組換えCDV接種イヌは、体温・リンパ球数・臨床所見のいずれにおいても変化はなかった。組換えCDVに病原性はなく安全であることが確認できる。
(C) 甲斐研究室

図2 組換えCDV接種イヌのリーシュマニア抵抗性

TSA、LmSTI1およびLACK−CDV混合組換えCDVを接種したイヌは、リーシュマニア結節の増大を抑制。消失のスピードも早く、組換えCDVの有効性が確認できる。
(C) 甲斐研究室
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上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
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