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整理番号 7211   (公開日 2016年08月22日) (カテゴリ バイオテクノロジー医学・薬学
Nedd4を標的とした新しいタイプの抗がん剤や内分泌疾患治療薬などの開発
●内容 インスリン様成長因子(IGF)は、様々な細胞の増殖や分化の誘導などに必須なホルモンで、このホルモンの活性の異常は、成長遅滞や過成長、癌化、老化などを引き起こす。一般にIGFの生理活性は単独では弱く、他のホルモンや成長因子の存在下で増強されるのが特徴である。
この研究室では、IGFの生理活性の増強機構を解析する過程で、IGFの受容体が内蔵するチロシンキナーゼがリン酸化することによってIGFの生理活性発現を仲介するタンパク質、インスリン受容体基質(IRS)-2が、このホルモンの生理活性を増強するホルモンの刺激に応答してneural precursor cell expressed developmentally down-regulated protein 4 (Nedd4) と相互作用することを見出した。Nedd4は広範な組織に発現しているユビキチンリガーゼで、Nedd4ノックアウトマウスは胎仔期の成長遅滞を呈す。また、Nedd4は種々のがんで高発現しており、がん促進タンパク質として機能することも報告されている。この研究室の解析により、Nedd4はIRS-2に単量体のユビキチンを付加(モノユビキチン化)し、モノユビキチン化されたIRS-2は細胞膜に存在するユビキチン結合タンパク質Epsin1に捕捉されて細胞膜へ移行、移行したIRS-2はIGF-I受容体によって効率的にチロシンリン酸化されるようになるという分子機構が明らかになった。この機構を介して、内分泌細胞では、cAMP経路の活性化に応じたIGF依存性細胞増殖活性が強められ、ゼブラフィシュを用いた解析ではNedd4-IRS-2複合体が胚成長の促進に、前立腺がん細胞ではがん細胞の悪性化に寄与することがわかった。このように、IRS-2結合タンパク質の一つとして同定したNedd4は、新規機構でIGFシグナルを増強し、正常細胞やがん細胞の細胞増殖、個体の胚成長を促進する役割を果すことが明らかとなった(Nature Commun. 6: 6780, 2015)。
そこで、IRSとNedd4との相互作用を制御する化合物を用いた、IGF活性の異常によって引き起こされる成長異常や、がんなど高齢化社会で問題となっている疾病の新しい治療薬の開発に共同研究を希望する。
HP:<http://endo.ar.a.u-tokyo.ac.jp/index0.html>
●研究者
准教授 高橋 伸一郎
大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻
●画像


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Nedd4によるIGF活性の増強機構
Nedd4によりモノユビキチン化したIRS-2は細胞膜近傍に移行する。これにより、IRS-2はIGF-I受容体キナーゼによって効率的にリン酸化されるようになり、IRS-2を介したIGFシグナルが増強し、細胞増殖が促進する。
(C) 高橋 伸一郎
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上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
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