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整理番号 7267   (公開日 2016年11月08日) (カテゴリ バイオテクノロジー医学・薬学基礎科学
LncRNAを標的としたがん治療薬の開発
●内容  ヒトゲノムからはタンパク質をコードしていないRNA(non-coding RNA:ncRNA)が大量に作られていることが明らかになっている。様々なncRNAの中でも、長さが200塩基を超えるncRNAは長鎖ncRNA(lncRNA)と呼ばれている。LncRNAに関する研究は歴史が浅く、その生理機能が明らかになっているものは未だ少ないが、組織特異的な発現パターンを有することや発生・疾患発症との関連性が徐々に明らかになってきている。実際、私たちの研究室では、がん細胞の増殖、造腫瘍性、運動能、薬剤感受性に関わる複数のlncRNAを同定することに成功している。特に最近、私たちはほとんどの大腸がんで大量に発現している新規のlncRNAとしてMYUを見出した。そして、MYUは大腸がん細胞が腫瘍をつくるために必須であること、大腸がん細胞がMYUを大量につくる仕組み、B臘欧ん細胞におけるMYUの役割を明らかにした。本研究成果から、大腸がんの新しい治療戦略として、MYU自身およびMYUが腫瘍をつくる仕組みを標的とした薬剤の創製が期待できた。
 私たちは、lncRNAが関わる発がん機構を標的とした新規分子標的治療薬の開発を目指しており、本研究に関心を有する企業・研究機関との共同研究・開発を進めたい。

 なお、下に示す図は、新規lncRNA:MYUを介した大腸がん発症の仕組みを表したものである。Wntシグナルの異常な活性化が大腸癌発症の最も大きな原因であると考えられている。Wntシグナルはたくさんの遺伝子の発現を引き起こすが、その中でも転写因子をコードするc-Myc遺伝子はがんの発症に最も重要な因子であると考えられている。
 大腸がんではWnt/c-Myc経路が異常に活性化しているためにタンパク質をコードしない新規のRNA “MYU”が大量につくられる。大腸がん細胞においてMYUはRNA結合タンパク質hnRNPKと結合している。さらに、小さなRNAの一種であるmiR-16は遺伝子やタンパク質の発現を抑制する働きがあるが、MYU/hnRNPK複合体はmiR-16の機能を妨げることで細胞周期を進める機能をもつCDK6の発現上昇を引き起こす。そして、MYUによって発現の増えたCDK6が大腸がん細胞の増殖の大きな要因になっている。
●研究者
准教授 川崎 善博
分子細胞生物学研究所 エピゲノム疾患研究センター
教授 秋山 徹
分子細胞生物学研究所 分子情報・制御大部門
●画像


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新規lncRNA:MYUを介した大腸がん発症の仕組み
(C) 川崎善博、秋山徹
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上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
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