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整理番号 7345   (公開日 2018年02月02日) (カテゴリ 経済・経営・政策・法律
「IoTを活用する経営」の探求:事実情報をいかに活用するか?
●内容  近年、IoT(Internet of Things)の活用に関する議論が活発化している。企業の中でも、顧客の購買データの活用による需要予測、生産現場のデータの活用による生産性向上、各部門の情報共有によるサプライチェーンの最適化、AIの導入による低付加価値活動の削減等に、IoT等のITが活用されている。
 しかし、これまでの企業におけるITの活用の議論は、「ITでできること」の把握からはじめて、企業内でその活用方法が議論される傾向にあった。そのため、現在の競争環境において求められる経営体制の把握からはじめて、その実現のためにITをどのように活用するべきかという、経営の視点からからITを見る議論は少なかった。そのため、ITの活用をIT部門に丸投げしてし、IT部門が他部門との関係に悩んでしまうケースや、ITの活用の範囲が各部門の「困り事」の解決にとどまるケースも見られている。
 そこで本研究者は、近年の企業に求められる経営を明確にした上で、その実現のためにどうIoTを活用すべきかを探求している。具体的な研究テーマは以下である。

ゞ畴の企業に求められる経営像
 まず、近年の企業に求められる経営像の探求を行っている。そのひとつの姿として、本研究ではグローバルな経営環境の変化/変動に対応するために、「様々なところで起こっている事実を迅速かつ正確に把握し、組織メンバーが共有し、解釈し、実行する」という「事実情報ベースのマネジメント(奥・大木, 2017)」に注目している。事実情報とは「企業活動に関連したイベント全て(イベント情報)とそれに関連する情報(背景情報、説明情報)を統合化した情報」のことである。このような事実情報ベースのマネジメントは、現地・現物の観察や、組織メンバーによる多様な解釈を重視してきた日本企業の強みが活かしやすいマネジメントであり、欧米企業との差別化につながりうるマネジメントである。このようなマネジメントの有効性、具体的な姿、適用条件などを、文献調査、事例調査、定量調査から探求している。

∋実情報ベースのマネジメントを実現するIoTの活用
 次に事実情報ベースのマネジメントを実現するうえで、求められるIoTの仕組みや、それに対応した組織デザインを探求している。例えば、IoTによる事実情報の取得方法(奥, 2013)や、事実情報を様々な階層で議論する場のマネジメント(大木・奥, 2017)などである。実際にIoTをうまく使っている企業や、これから導入しようとしている企業の事例調査から、どのようなIoTの活用方法が望ましいのかを探求している。

 こうした議論を通じて、IoT時代にあるべき日本企業の姿について、新たな貢献を行うことを目指している。近年、IoTにおいては欧米企業が先行していると考えられているが、それに追従することが日本企業にとって利するとは限らない。例えば、経営コックピットのように結果だけを見えるようにしている欧米式のITの導入は、日本企業が持つ事実情報の共有や解釈といった強みを打ち消してしまう可能性がある。むしろ、事実情報に重きをおく日本企業と親和性の高いITを作れれば、それが欧米企業にはない独自性となる可能性がある。その独自性が機能すれば、IoT分野において、欧米企業に追いつくどころが、追い抜くこともできる可能性があるだろう。
 このような研究を行うために、本研究者は実務家とのコラボレーションを強く求めている。本研究者はITシステムの各技術に関する理系的な研究ではなく、ITシステムを経営の視点から捉える経営学的な研究を専門としている。そのため、実際に経営の視点からIoTを用いた際に、企業の中にどのような変化が現れ、どのような効果が現れるのかについて、議論、または現場の観察をさせて頂ければ幸いである。IoTを経営の観点から用いたいと思っていらっしゃる方、現在のIoTの議論に物足りなさを感じていらっしゃる方はご連絡いただければ幸いである。なお、業種は製造業の製造活動だけに限らず、営業などの他の活動(例えばコールセンター)、並びにサービス業も対象としている。

【参考文献】
大木清弘, 奥雅春 (2017)「変化/変動時代の事実情報ベースのマネジメント:「DAC広場」の有効性の検討」(MMRC Discussion Paper Series No,498). 東京大学ものづくり経営研究センター.
奥雅春 (2013) 『現場ナマ情報のグローバル共有戦略:価値あるビッグデータを作る「FOA」』日経BP社.
奥雅春, 大木清弘 (2017) 「ものづくり現場における「事実情報」とその活用:ITを活用した新たな情報活用システムの検討」(MMRC Discussion Paper Series No,493). 東京大学ものづくり経営研究センター.
●研究者
講師 大木 清弘
大学院経済学研究科 マネジメント専攻 経営コース
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事実情報ベースのマネジメントとITシステム
変化/変動している現実から、事実情報を把握し、共有し、解釈し、実行するというサイクルを回していくのが、事実情報ベースのマネジメントである。それをサポートするITが求められている。
(C) 大木清弘
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上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
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