新着情報 テーマカテゴリ 全カテゴリバイオテクノロジー医学・薬学農林水産・食品環境・エネルギー素材機械情報・通信エレクトロニクス航空・宇宙大気・海洋経済・経営・政策・法律土木・建築社会・文化・教育基礎科学 ごあいさつ ご利用にあたり 検索方法 プライバシーポリシー ご意見・ご質問 実例集 見つからない場合は? DUCRホームページへ トップページ geta_logo
print
印刷時に縮小されてしまう場合などにご利用ください。

整理番号 7511   (公開日 2018年11月30日) (カテゴリ 医学・薬学基礎科学
シナプス伝達の仕組み解明にむけた超分子ナノ構造の解析
●内容  本研究室では、独自に開発した’召亮舁廚平牲佚礎J質であるグルタミン酸のイメージング技術、▲轡淵廛絞子の超解像可視化技術を組み合わせて、タンパク質分子Munc13-1 を中心とした超分子集合体の個数が個々のシナプスの情報量を決定している事を明らかにした。これはナノサイズの超分子機構とシナプス機能を結びつけたものであり、シナプス伝達の根本的仕組みの一端を明らかにし、脳の仕組みの理解や精神神経疾患の理解・克服にむけて重要な発見である。
 本件では、脳の主要な興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸の単一シナプスレベルでの蛍光イメージング技術により、個々のシナプスにおける神経伝達物質放出の直接計測を可能にした。この計測技術はグルタミン酸蛍光センサー (Glutamate (E) OpticalSensor: EOS)を使った蛍光可視化技術であり、単一のシナプス小胞から放出されるグルタミン酸をも高精細に捉えられるほど感度の高いものである。
 さらに、電気生理学的解析に広く用いられている分散分析法(variance-mean analysis)をイメージングの結果に適用することで、個々のシナプスの神経伝達物質放出強度を決めている、1) シナプス小胞放出サイトの個数、2) 放出確率、及び3) 充填される神経伝達物質の量の三つのパラメータを定量的に抽出することに成功した。特に1)シナプス小胞放出サイトの個数はシナプス毎に大きく異なる(2〜18 個)ことが明らかとなり、個々のシナプスの情報量は1かゼロの二進数ではなく、複数ビットの情報量を持ちうることが明確に示された。
 また、シナプス前終末には数多くのタンパク質が局在しているが、神経伝達物質の放出において、Munc13sは最も重要なタンパク質群の一つであると考えられている。本研究では蛍光色素で直接標識された抗体を用いてMunc13-1 の分子数を定量したところ、シナプスあたり平均で50 個以上のMunc13-1 分子が神経伝達物質の放出面に存在することが分かった。
 また、グルタミン酸可視化解析によって推定されたシナプス小胞放出サイトの個数とMunc13-1 の分子数が強く相関する事を見出した。特筆すべきポイントは、シナプス小胞放出サイトの個数とMunc13-1 超分子集合体の個数は一対一で対応したということである。シナプスあたりのMunc13-1 分子の個数を遺伝子ノックダウン実験によって操作したところ、Munc13-1 超分子集合体の個数とシナプス小胞放出サイトの個数は同数だけ減少することが分かり、シナプス小胞放出サイトの個数とMunc13-1 超分子集合体の個数には因果関係があることが示された。
 本研究で確立された.哀襯織潺鷸瀬ぅ瓠璽献鵐阿砲茲襯轡淵廛垢竜’讐鮴亘,蓮⊇祥茲離轡淵廛控’酬彗技術では得ることができなかった単一シナプスレベルの精細な情報を抽出できる非常に独創的な技術として今後のシナプス研究において広く普及していく技術であると考えられる。また、超解像顕微鏡によるMunc13-1 超分子集合体の定量はシナプスの重みを既存の煩雑な機能解析法に拠らず、構造・形態学的に容易に調べられる。加えて、神経回路や脳の機能を形態学的視点から調べる上でMunc13-1 超分子集合体はシナプスの重みを示す重要なマーカーになると言える。
 これらの技術を応用した解析プラットフォームは統合失調症やうつ病等の精神疾患、アルツハイマー病等の神経変性疾患の病態解明、薬効評価等への貢献が期待される。
 これらの技術の応用に関心を有する、製薬会社をはじめとした企業・団体等との共同研究を行うことが可能である。
●研究者
教授 廣瀬 謙造
大学院医学系研究科 脳神経医学専攻
●画像


クリックで拡大

グルタミン酸イメージングと超解像顕微鏡技術によるシナプス機能評価プラットフォーム単一シナプスレベル解像度でのグルタミン酸イメージングと超解像顕微鏡によるMunc13-1超分子集合体の解析によって神経伝達物質放出機能の定量的な解析が可能になった。
(C) 廣瀬謙造
mail
上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
本件に関する共同研究等のお問い合わせは、左のバナーをクリックしてください。スタッフがお問い合わせをお受けいたします。