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整理番号 7522   (公開日 2018年10月29日) (カテゴリ バイオテクノロジー医学・薬学
4種類の低分子化合物のみを用いた多能性幹細胞からの高効率骨芽細胞作製法
●内容  これまで、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)といった多能性幹細胞から目的細胞や組織を作製するために広く用いられてきた手法には、\騎里柄叛が不明なもの(例 ウシ胎仔血清)を細胞の培養に使用すること、多能性幹細胞が目的としない組織への分化を誘導しかねない胚様体を形成すること、M尭外子に遺伝子導入や組換えタンパク質を用いること、などによる安全性やコストに関する懸念が存在する。
 多能性幹細胞を用いて各種組織を作製する手法は、全て既知の成分を用い、目的としない組織への分化を抑え、さらに経済的かつ安定な低分子化合物を用いた方法が理想的だと考えられる。
 この研究室では、4種類の低分子化合物のみ(グリコーゲン合成酵素3阻害剤、ヘッジホッグシグナル阻害剤、ヘッジホッグシグナル活性化剤、ヘリオキサンチン誘導体)を誘導因子として段階的に用いることにより、無血清培地下で、多能性幹細胞から中胚葉を経由して効率的に骨芽細胞を作製する方法を開発した(Stem Cell Rep 2(6):751-60, 2014)。この方法では、経済的かつ安定な低分子化合物をはじめとして既知の成分のみを用い、さらに目的としない組織への分化を抑えるため、既存の手法の問題点が解決されると考えられる。
 さらに近年は三次元培養系に展開し、薬剤のみを用いて多能性幹細胞から三次元的に骨様組織を作成することに成功した。
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20170512.pdf
 この三次元培養系では、マウス胚性幹細胞(ES細胞)から骨芽細胞のみならず骨細胞も誘導される。これを基に現在、骨改造現象を3次元構造体として再現・可視化し、骨改造の機構解明を進めている。ヒト細胞での再現が可能になれば、骨粗鬆症や骨形成不全症等の疾患に対する治療・予防に大きく寄与するものと考える。
 これらは骨形成性薬剤のスクリーニング、骨系統疾患の病態解明、骨再生医療への応用が期待される基盤技術であることから、本法の医療・生物学分野への応用に関心をもつ企業との共同研究を希望する。
●研究者
准教授 大庭 伸介
大学院医学系研究科 疾患生命工学センター
教授 鄭 雄一
大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻
●画像


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図1
本法によって作製されたマウスES細胞由来三次元骨様組織断面の組織像。
(A)位相差像。担体内部の小孔に細胞が凝集して存在する。
(B)骨芽細胞マーカーであるSP7蛋白質の発現(赤)。担体内部の細胞がSP7陽性の骨芽細胞であることを示す。
(C)核染色像(青)。
(D)A、B、Cの重ね合わせ像。
(C) 大庭伸介

図2
開発中の三次元培養系の概念図
 担体中で多能性が維持された多能性幹細胞は三胚葉に分化誘導が可能である。多能性幹細胞を薬剤によって中胚葉から骨芽細胞・骨細胞へ分化させたのちに、破骨細胞のもととなる細胞を加えることで、骨芽細胞・骨細胞・破骨細胞を含む三次元骨様組織が形成される。
(C) 大庭伸介
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上記内容は、各研究者へのインタビューをもとに東京大学 産学協創推進本部で骨子をまとめたものです。
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