スポーツ科学の空間解析
貞廣 幸雄大学院情報学環
競技者個人やチーム全体の運動・競技能力強化への科学的アプローチの導入は、その有効性が徐々に認められ、スポーツの各分野で進行しつつある。特に各種センサーの発達により、競技中の各選手の身体状況を詳細に測定し、その結果に基づいて最適なトレーニングメニューを作成、実施するといった、ミクロフィジカルデータの利活用が脚光を浴びている。 本研究室では、特に空間的要因が重要な役割を果たすスポーツに焦点を当て、科学的アプローチによって選手強化や戦術立案に寄与することを目指している。サッカーや野球などのチームスポーツでは、選手相互の空間的インタラクションがプレーの重要な構成要素の一つである。マラソンを始めとする陸上競技では、競技の環境条件が結果を大きく左右する。例えばサッカーでは、以下のような研究テーマが考えられる。 ・局面毎のパス・ドリブル成功確率の算出 ・ボール周りでの両チームの人的有利さの評価 ・パスカットを引き起こす空間的要員の自動抽出 ・守備システム堅牢度の定量的評価 ・ハーフタイム時の指示が試合中の行動に与える影響