肺動脈性肺高血圧症の疾患関連遺伝子ATOH8の同定
宮園 浩平大学院医学系研究科 病因・病理学専攻
肺動脈性肺高血圧症(PAH)では、骨形成因子(BMP)の働きに異常があることが知られていたが、その発症メカニズムについては未だ不明な点が多い。 BMPシグナルの標的遺伝子の中で、転写因子 ATOH8 の機能を失ったマウスは肺高血圧症の症状を呈すること、培養細胞で ATOH8 が低酸素に対する細胞応答を調節することを明らかにした。 以上の結果より、肺動脈血管内皮細胞の BMP/ATOH8 経路は、低酸素に対して保護的役割を果たし、肺高血圧症の発症・進展に関わっていることが示唆された。