東京大学産学連携プロポーザル

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    ヒト集団を対象とした睡眠表現型と遺伝情報の解析
    上田 泰己大学院医学系研究科 機能生物学専攻
    24時間稼働型社会の到来を受け、健全な睡眠を確保することの大事さが近年認識されている。睡眠の異常はうつ病を始めとする精神疾患、あるいは肥満などの生活習慣病と関わることが知られている。その一方で、健全な生活を送る上での適切な睡眠量は個人によって大きく異なり、「良い睡眠」を規定する因子は遺伝的要因と環境的要因の双方を含んでいると考えられる。 本研究室では、マウスの睡眠表現型を簡便・並列に測定する方法を開発し、さらに、遺伝子改変マウスを高効率・並列に作製する方法を開発してきた。これらの手法を用いて、一日の睡眠時間が顕著に変化する遺伝子改変マウスを多種類報告している。特に、細胞内カルシウムに依存した神経細胞膜電位の制御に関わる遺伝子群や、カルシウム依存的タンパク質リン酸化酵素が、一日のNREM睡眠時間の制御に関わることを見出した。さらに、アセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質の受容体であるM1, M3受容体がREM睡眠に必須の役割を果たすことを報告してきた。 これらの遺伝子は我々ヒトでも、睡眠制御に重要な役割を果たすのであろうか?また、実験室環境にあるマウスよりもはるかに多様な遺伝的、環境的要因にさらされているヒトでは、さらに多様な睡眠制御因子があるのではないか?これらの問いに答え、将来的な睡眠およびその関連疾患に対する創薬ターゲットを提示するために、数百人から数千人規模のヒト集団を対象として、睡眠表現型と遺伝情報の対応付けを行う研究を展開する準備が整いつつある。

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    ヒト集団を対象とした睡眠表現型と遺伝情報の解析
    上田 泰己大学院医学系研究科 機能生物学専攻
    24時間稼働型社会の到来を受け、健全な睡眠を確保することの大事さが近年認識されている。睡眠の異常はうつ病を始めとする精神疾患、あるいは肥満などの生活習慣病と関わることが知られている。その一方で、健全な生活を送る上での適切な睡眠量は個人によって大きく異なり、「良い睡眠」を規定する因子は遺伝的要因と環境的要因の双方を含んでいると考えられる。 本研究室では、マウスの睡眠表現型を簡便・並列に測定する方法を開発し、さらに、遺伝子改変マウスを高効率・並列に作製する方法を開発してきた。これらの手法を用いて、一日の睡眠時間が顕著に変化する遺伝子改変マウスを多種類報告している。特に、細胞内カルシウムに依存した神経細胞膜電位の制御に関わる遺伝子群や、カルシウム依存的タンパク質リン酸化酵素が、一日のNREM睡眠時間の制御に関わることを見出した。さらに、アセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質の受容体であるM1, M3受容体がREM睡眠に必須の役割を果たすことを報告してきた。 これらの遺伝子は我々ヒトでも、睡眠制御に重要な役割を果たすのであろうか?また、実験室環境にあるマウスよりもはるかに多様な遺伝的、環境的要因にさらされているヒトでは、さらに多様な睡眠制御因子があるのではないか?これらの問いに答え、将来的な睡眠およびその関連疾患に対する創薬ターゲットを提示するために、数百人から数千人規模のヒト集団を対象として、睡眠表現型と遺伝情報の対応付けを行う研究を展開する準備が整いつつある。

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