超臨界水を溶媒とした有機合成反応・未利用資源の化学原料化
秋月 信大学院新領域創成科学研究科 環境システム学専攻
超臨界・亜臨界状態の水(以下、高温高圧水)は、常温常圧の水とは大きく異なる物性を示し、特に誘電率やイオン積が温度・圧力と共に大きく変化する。このようなチューナブルソルベントとしての性質を持つ高温高圧水は、水の持つ安価・安全であるという性質と相まって、新しい環境調和型反応溶媒として注目されている。 有機合成においては、人体や環境への負荷が大きい有機溶媒を、環境負荷が小さく安価な水で置き換えることが期待されている。この研究室では、高温高圧水には水でありながら有機化合物が溶解することを利用し、様々な有機合成反応の研究を進めている。特に、高温高圧水と固体酸・塩基触媒の組み合わせに着目した研究を進めており、オレフィンの水和反応やアルドール縮合反応が高速に進行することを明らかにしている。 またこの時、亜臨界水の高いイオン積によって、オレフィンの水和反応が著しく加速されることや、超臨界水の密度変化に応じて、グリセリンの脱水反応の生成物選択性を制御出来ることなど、溶媒物性と固体触媒の組み合わせにより多彩な反応制御が可能であることを見出している。 上記のような高温高圧水中の反応は、石油に代表される既存の化成品原料を、環境負荷の小さい未利用資源に置き換えるためにも利用可能である。この研究室では、バイオディーゼル燃料の副生成物であるグリセリンから、化成品原料として重要なアクロレインを合成できることを明らかにしている。また、松ヤニに含まれるαーピネンを有用なテルペン類に変換する異性化反応において、高温高圧水と固体触媒を組み合わせた反応ならではの生成物選択性を得られることを報告している。
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超臨界水を溶媒とした有機合成反応・未利用資源の化学原料化
秋月 信大学院新領域創成科学研究科 環境システム学専攻
超臨界・亜臨界状態の水(以下、高温高圧水)は、常温常圧の水とは大きく異なる物性を示し、特に誘電率やイオン積が温度・圧力と共に大きく変化する。このようなチューナブルソルベントとしての性質を持つ高温高圧水は、水の持つ安価・安全であるという性質と相まって、新しい環境調和型反応溶媒として注目されている。 有機合成においては、人体や環境への負荷が大きい有機溶媒を、環境負荷が小さく安価な水で置き換えることが期待されている。この研究室では、高温高圧水には水でありながら有機化合物が溶解することを利用し、様々な有機合成反応の研究を進めている。特に、高温高圧水と固体酸・塩基触媒の組み合わせに着目した研究を進めており、オレフィンの水和反応やアルドール縮合反応が高速に進行することを明らかにしている。 またこの時、亜臨界水の高いイオン積によって、オレフィンの水和反応が著しく加速されることや、超臨界水の密度変化に応じて、グリセリンの脱水反応の生成物選択性を制御出来ることなど、溶媒物性と固体触媒の組み合わせにより多彩な反応制御が可能であることを見出している。 上記のような高温高圧水中の反応は、石油に代表される既存の化成品原料を、環境負荷の小さい未利用資源に置き換えるためにも利用可能である。この研究室では、バイオディーゼル燃料の副生成物であるグリセリンから、化成品原料として重要なアクロレインを合成できることを明らかにしている。また、松ヤニに含まれるαーピネンを有用なテルペン類に変換する異性化反応において、高温高圧水と固体触媒を組み合わせた反応ならではの生成物選択性を得られることを報告している。
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