田村 隆大学院総合文化研究科 超域文化科学専攻
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平安時代の文学、特に『源氏物語』を中心に研究している。 『源氏物語』には「うるさければ書かず」といった省筆のレトリックがしばしば現れる。和歌の列挙、漢詩、政治向きのこと等々、さまざまな「書かれなかったこと」の考察を通して、「書かれていること」の意味を新たな角度から研究している。 省筆の断り書きはいわば「書かず」と書くことであるが、一方で『源氏物語』には光源氏の死などの重大な事柄が「書かず」の断りなしにただ書かれていない箇所もある。つまり、書かれていないという事態には、それを表明する場合としない場合があることになる。これらの「書かれなかったこと」の意味について、物語の舞台裏を語り手の役割に注意しながら検討し、物語を動かす舞台装置のようなものを説明したいと考えている。 また、『伊勢物語』や『うつほ物語』を描いた奈良絵本と板本の影響関係に関する研究、あるいは教科書での取り上げられ方を通して国語教育における『源氏物語』の位置づけの考察なども行っている。このような研究成果をふまえ、公開講座や展示等を通じて古典文学の魅力を多面的に伝えていきたいと考えている。
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平安時代の文学、特に『源氏物語』を中心に研究している。 『源氏物語』には「うるさければ書かず」といった省筆のレトリックがしばしば現れる。和歌の列挙、漢詩、政治向きのこと等々、さまざまな「書かれなかったこと」の考察を通して、「書かれていること」の意味を新たな角度から研究している。 省筆の断り書きはいわば「書かず」と書くことであるが、一方で『源氏物語』には光源氏の死などの重大な事柄が「書かず」の断りなしにただ書かれていない箇所もある。つまり、書かれていないという事態には、それを表明する場合としない場合があることになる。これらの「書かれなかったこと」の意味について、物語の舞台裏を語り手の役割に注意しながら検討し、物語を動かす舞台装置のようなものを説明したいと考えている。 また、『伊勢物語』や『うつほ物語』を描いた奈良絵本と板本の影響関係に関する研究、あるいは教科書での取り上げられ方を通して国語教育における『源氏物語』の位置づけの考察なども行っている。このような研究成果をふまえ、公開講座や展示等を通じて古典文学の魅力を多面的に伝えていきたいと考えている。
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