東京大学産学連携プロポーザル

ナノプローブを用いた電子デバイスの解析・診断

カテゴリー

  • 素材
  • 機械
  • エレクトロニクス

SDGs

研究内容

ナノプローブを用いて微細構造の幾何学的形状情報ばかりではなく物性的情報(電気的、光学的情報等)を得るための研究を進めている。特長は、ナノプローブの持つ高い空間分解能を生かして、形状情報と同時に各種物性的情報を検知できることにあり、非破壊での評価、大気圧中での評価も可能である。これらの研究を応用して、LSI等、微細構造を有する電子デバイスに関する不良解析・診断技術の開発および装置の開発を行いたい。
磁気力顕微鏡(MFM)を用いて電流誘起磁場を観測する研究において、サブmm幅の微細金属電流路に1mA程度以下の電流を流したときの表面形状像、磁気力信号の振幅、位相成分の観測を通じて、磁気力信号強度と電流値との間によい比例関係があること、位相情報を利用して電流の向きを同定できること、などを確認している。また、カーボンナノチューブをチャネルとする電界効果トランジスタに同様の手法を適用している。図(a)、(b)は、それぞれ、ナノチューブチャネル周囲で観測した形状像と磁気力信号像であり、ナノチューブ近傍での磁気力信号の明瞭な変化が捉えられている。また、図(c)は、様々なバイアス条件に対する磁気力信号強度の依存性であり、トランジスタの電流-電圧特性に相当する。このように、個別ナノチューブチャネルにおける閾値電圧や伝達コンダクタンス特性などの解析が可能である。さらに、ネットワーク状のナノチューブチャネルの中から主たる電流経路の同定にも成功している。

カーボンナノチューブ・トランジスタにおける電流誘起磁場計測。MFMで観測した(a)形状像、(b)磁気力信号像と、(c)磁気力信号のバイアス条件依存性。
© 高橋研究室

想定される応用

これらの成果は、定量的電流測定や電流経路の可視化が実現できる可能性を示している。

連携への希望

このような技術の応用に関心を持つ企業、特に、評価サンプルの提供が可能な企業との共同研究を期待している。

公開日 / 更新日

  • 2021年12月21日

識別番号

  • No. 00085-02

カテゴリー

  • 素材
  • 機械
  • エレクトロニクス

SDGs

公開日 / 更新日

  • 2021年12月21日

識別番号

  • No. 00085-02