東京大学産学連携プロポーザル

客観的な総合指数に基づくランキングアルゴリズムに関する研究

カテゴリー

  • 情報・通信
  • 経済・経営・政策・法律
  • 社会・文化・教育

SDGs

研究内容

入社試験の総合成績、陸上十種競技の総合得点、あるいは各国の豊かさの指数など、いくつかの変数の総合指数を計算し、それに基づいて個体をランキングしたいという場面は世の中に多くある。一般に総合指数は、それぞれの変数に重みを付けて合計する、という形で計算されることが多い。典型的には、各変数の偏差値を合計するという方法がある。しかしこの方法は、統計学的には「特定の変数と総合指数の相関係数が負になる」という不公平が生まれる可能性を内在している。また、多変量解析の一手法である主成分分析を用いて、その第一主成分を総合指数にするという考え方もあるが、重みが負になる場合があり、やはり適切な指数とは言えない。本研究では、Marshall-Olkin の定理と呼ばれる線形代数の定理を応用し、これらの不具合を克服した。結果として得られる指数を客観的総合指数と呼んでいる。

図1:従来の総合指数を「やじろべえ」で表現した図。3つの腕は3つの変数に相当し、腕同士のなす角度が相関を表す。鉛直下向きの総合指数に対し、一つの変数だけ上に向いており、不公平が生じている。
© 清 智也

図2:本研究で提案する客観的総合指数を「やじろべえ」で表現した図。公平にするため、3つのおもりが水平になるよう、調整されている。
© 清 智也

想定される応用

本研究はあくまで数理的な立場から総合指数の作り方を提案した段階であり、実データへの適用を通じてさらに良い指数に改良することができればと考えている。

公開日 / 更新日

  • 2021年12月23日

識別番号

  • No. 00217-01

カテゴリー

  • 情報・通信
  • 経済・経営・政策・法律
  • 社会・文化・教育

SDGs

公開日 / 更新日

  • 2021年12月23日

識別番号

  • No. 00217-01