SDGs
連携提案
今日、スリランカと東南アジア大陸部(ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア)に広がる仏教は、「上座部仏教」と呼ばれる仏教であり、東アジアやチベットへ広がる大乗仏教とは大きく異なっている。上座部仏教は古代インド語の一つであるパーリ語によって経典を伝承してきたため、パーリ語は、聖なる言葉として、これらの地域の言語に絶大な影響を与えてきた。スリランカや東南アジア大陸部の文化を知る上で、上座部仏教は決して無視することのできない存在なのである。
スリランカや東南アジア大陸部に伝わる大量のパーリ語文献を調査することによって、古代インドで仏教が生まれて後、スリランカにおける「上座部」という一派が成立する過程をこれまで研究してきた。その一環として、スリランカ、タイ、ラオス、カンボジアへの調査経験がある。実証的な文献研究に基づきつつも、単なる文献研究に済ますのではなく、バラモン教や大乗仏教との比較による大局的な理論構築を目指している。
これらの研究活動に基づき、多くの写真を用いた、古代インド仏教や上座部仏教に関する講演が可能である。仏教または南アジアや東南アジアの宗教に関心のある方々への正確な、そして分かりやすい説明を心がけている。
ミヒンタレーの仏塔
スリランカの聖地
© 馬場 紀寿
『上座部仏教の思想形成』
(春秋社 2008)
© 馬場 紀寿
『初期仏教 ブッダの思想をたどる』(岩波書店 2008)
© 馬場紀寿