伊山 潤准教授
大学院工学系研究科 建築学専攻
SDGs
連携提案
この研究室では鉄骨構造建築物を安全・安心に利用してもらえるよう、構造性能を明確にするとともに、実際の建物挙動の詳細な実測を通じて、鉄骨構造部材の性能や安全性を検証する手法の確立を目指している。
近年、建物の健全性監視(モニタリング)が着目されており、地震時の加速度応答計測により診断をする技術の適用が進んでいる。ただし一方、鉄骨構造部材の損傷は例えば劣化や降伏、座屈、破断など様々なものが考えられるが、これの検出のためには常時微動あるいは微小地震時に振動するひずみを計測することが有効であると考えている。ただし既存のひずみ応答計測装置は、高精度ではあるが、極めて高価であり、実建物への適用を考えるとオーバースペックである。そこで本研究室では、簡易で安価なひずみ応答計測装置を開発し、実建物での計測実証を進めている。
これまで、振動台実験による検証や、建物所有者のご協力をいただけたいくつかの実建物での計測検証を行っており、実測のノウハウの蓄積を進めている。ただし、これらのデータをどのように集積し、分析し、また建物所有者やユーザにフィードバックしていくかという点については、課題が残っている。 ひずみ計測に基づく鉄骨構造建物の耐震性能評価技術のさらなる有効性向上のための連携を模索している。