山下 了特任教授
素粒子物理国際研究センター
SDGs
連携提案
本研究室ではフロンティア加速器による素粒子の質量と時空の構造の研究先端加速器・計測器の開発を研究テーマとしており、現在以下のような研究を行っている。
(1)世界最高エネルギーの衝突型加速器実験により質量と真空の構造の関係、超対称性の研究を行う。次世代の電子・陽電子「国際リニアコライダー計画」でのヒッグス粒子の自己結合、超対称性を研究することを目指して物理の研究、加速器、測定器の開発を進めている。
(2)東海村で稼働を開始したJ-PARCにおいて世界最高強度での超低エネルギー中性子を用いた素粒子実験を開始。
(3)新しい光量子検出器PPDの開発。
これらの研究成果の応用・実装に関心のある企業との連携が可能である。
事業化プロポーザル
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次世代光量子センサーの開発素粒子・原子核・物質・生命科学研究、宇宙観測、医学、放射光等での様々な産業利用において、微小な光を精度良く計測するセンサーは最も重要な基盤のひとつである。また、医療現場・産業においても精密計測の基盤技術となっている。この研究室では次世代の光センサーとして注目を集めるPPD(pixelated photon detector)の開発を進めている。シリコン半導体にガイガーモードで動作する多数の微小ピクセルを造り何個のピクセルが光量子によりヒットしたかを出力することで光量子の数を「デジタル的に数える」という新しい概念での検出器で、これまで10年程度の世界的な研究ですでにSiPMやMPPCという名称で実用に供され始めている。この研究室では更に、このセンサーの動的(時間変化まで追った)精密数値シミュレーションを用いて設計を最適化すること、および最大の課題である熱電子・ホール起源のノイズの抑制を図ること、そして増幅率を向上させるための積層型素子を実現すること等を、研究の主項目としている。
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次世代加速器リニアコライダーを目指した研究開発この研究室では素粒子物理の飛躍を目指して次世代大型加速器「リニアコライダー」のための幅広い技術研究を進めている。この加速器は地下に掘られた40km近い長さの直線トンネルの中に先端技術の総合システムである超伝導電子加速器を並べ光の速度まで加速された電子とその反物質の陽電子を衝突させることで新しい素粒子反応を調べようという計画である。