東京大学産学連携プロポーザル

三河内 岳教授
総合研究博物館

SDGs

連携提案

隕石をはじめとした地球外物質には、約45.6億年前に形成された後にほとんど変化を受けていないものが多く存在し、太陽系の誕生と変遷を研究する上で極めて重要な試料となっている。実は、地球外物質は、このような科学的興味を有すると同時に、新素材探索と言う意味でも興味深い試料である。これは、地球外試料が地球表面とは大きく異なった環境下で形成されていることによるもので、実際に、地球上では見つかっていない鉱物種が数多く発見されている。我々のグループでは、地球外試料の鉱物結晶学的分析の過程で、これまでにいくつかの新鉱物を発見しており、地球外物質の形成条件に多くの制約を与えてきた。また、地球外物質の中には、金属鉄が普遍的に含まれているが、鉄が多くの化合物を形成しており、その形成プロセスには「宇宙の溶鉱炉」と呼べるようなものも存在する。このような観点で地球外物質を分析して行くことで、理学と産学の融合を図り、相互にメリットのある研究を今後展開して行きたいと考えている。

Andreyivanoviteの走査型電子顕微鏡写真(後方散乱電子像)とその結晶構造

隕石中に発見したFeとCrのリン化物の新鉱物(矢印先)で、大きさはわずか2 μmほどだが、走査型電子顕微鏡に付属した電子線後方散乱回折分析装置により結晶構造を同定した。右は、その結晶構造。

© 三河内 岳

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