SDGs
連携提案
当教室では以下の項目について、社会実装を目指した研究開発を進めておりまります。ご興味いただけましたら、お気軽にご連絡ください。
1.薬理・毒性評価のDXを目指した、動物行動解析AIの開発
薬理・毒性の基礎研究者として獣医師として、再現性や客観性、ヒト外挿性を向上して、動物実験を最適化することを目指し、画像や人工知能を用いた新しい動物行動解析システムを開発しています。検出原理の開発のみにとどまらず、生物の研究者がIT技術を駆使し、創薬効率を上げられるようなuser friednlyなインターフェースや動画の保存・転送システムを開発し、これらのシステムを個社で内製化することの支援ができる仕組みつくりを行っています。
関連論文・特許・広報情報など
・情報処理装置、情報処理方法及びプログラム: 特願2020-211853/特願2020-211852.
・Automated detection of mouse scratching behaviour using convolutional recurrent neural network. Scientific Reports. 2021.
・The assessment of mouse spontaneous locomotor activity using motion picture.Journal of Pharmacological Sciences. 2020.
・Automated Grooming Detection of Mouse by Three-Dimensional Convolutional Neural Network. Front Behav Neurosci. 2022.
2.尿や便、唾液、鼻汁などの体液に排泄される生理活性脂質のバイオマーカーとしての応用
アレルギー疾患を中心に、私たちは尿などの体液に排泄される生理活性脂質のバイオマーカーとしての応用を目指した研究を行っています。これまでに、ヒトや動物を対象とした、食物アレルギーの尿検査(病態特異的、症状の程度を反映、発症予測可能)、アトピー性皮膚炎の尿検査 鼻汁や涙をもちいた花粉症や結膜炎の検査、癲癇の血液検査、ネコの炎症検査などを開発してきました。診断のみならず、薬物や食品などの評価にも応用可能です。
関連論文・特許・広報情報など
・ネコ科動物の炎症状態の評価方法 PCT/JP2020/41434.
・アトピー性皮膚炎の検出方法 PCT/JP2020/37645.
・アレルギー性鼻炎の検出方法:特願2018-43404.
・食物アレルギーのバイオマーカー、検査方法、尿検体検査用キット及び尿検体検査用スティック: PCT/JP2017/002919.
・食物アレルギーの検査方法及び検査用キット: PCT/JP2015/072421.
・The profile of urinary lipid metabolites in cats with bacterial cystitis. J Vet Med Sci. 2021.
・Urinary lipid profile of atopic dermatitis in murine model and human patients. FASEB J. 2021.
・Urinary prostaglandin D2 metabolite appears to be a useful biomarker for evaluating the status of egg oral immunotherapy in children. JACI in practice. 2021.
・Urinary PGDM, a prostaglandin D2 metabolite, is a novel biomarker for objectively detecting allergic reactions of food allergy. J Allergy Clin Immunol. 2018.
3.低分子である脂質分子に対する抗体作製技術
上記バイオマーカーを簡便に検出できる抗体キットを作製する目的で、低分子である脂質に対する抗体作製技術を開発しています。脂質に対する抗体作製は難易度が高いですが、特定の脂質に対する特異抗体の作製に成功しています。今後抗脂質抗体ライブラリを構築して、効率よく他の脂質に対する抗体作製を進めていきます。
関連論文・特許・広報情報など
・抗tetranor-PGDMモノクローナル抗体及びその用途: 特願2021- 26290 .
・Development of monoclonal antibody-based EIA for tetranor-PGDM which reflects PGD2 production in the body. J Immunol Res. 2021.
4.炎症抑制脂質の探索と応用
人と動物の病態における生理活性脂質の産生プロファイルを明らかにし、バイオマーカーとしての応用について検討するとともに、そこで検出された脂質の生理活性探索も進めています。例えば炎症からの回復時に産生され、魚の内臓に多くふくまれる炎症抑制性の脂質を発見しています。これらのサプリメントや治療薬としての応用を目指し、商品開発を進めています。
関連論文・特許・広報情報など
・5,6-dihydroxy-8Z,11Z,14Z,17Z-eicosatetraenoic acid accelerates the healing of colitis by inhibiting transient receptor potential vanilloid 4-mediated signaling.The FASEB journal. 2021.
・A novel eicosapentaenoic acid-derived anti-inflammatory lipid mediator 5,6-DiHETE is abundant in blue back fish intestines. Journal of Food Science. 2020.
・5,6-DiHETE attenuates vascular hyperpermeability by inhibiting Ca2+ elevation in endothelial cells. J Lipid Res. 2018.
・Efficient Attenuation of Dextran Sulfate Sodium-Induced Colitis by Oral Administration of 5,6-Dihydroxy-8Z,11Z,14Z,17Z-eicosatetraenoic Acid in Mice. Int. J. Mol. Sci. 2021.
5.微小環境内の炎症制御による抗がん剤耐性解除方法・転移抑制方法の開発
がん微小環境においても、多くの生理活性脂質やサイトカインケモカインの産生が確認されます。動物モデルを用いて、抗がん剤耐性をもったがん内や、がんが血中循環した際に産生される脂質のプロファイルを解析し、薬剤耐性や転移に関与する脂質を探索しています。またそれらの産生抑制が、動物モデルにおける薬剤耐性を解除できることや、転移を抑制することを発見ています。現在これらの脂質産生酵素の抑制する化合物のスクリーニングを進めています。
関連論文・特許・広報情報など
・がん転移抑制剤: PCT/JP2017/20569 特願2018-521010