東京大学産学連携プロポーザル

廣井 悠教授
先端科学技術研究センター 減災まちづくり分野

SDGs

連携提案

この研究室では、安全な都市をつくるための手法や政策立案ならびに計画策定について、都市計画の立場から研究をしている。具体的には災害調査、アンケート調査、オペレーションズ・リサーチ、機械学習、シミュレーション、ワークショップなど多様な手法を用いて、理論構築を行い、社会に向けた情報発信を含め、最終的に実装に結びつくような研究を志している。以下のような研究成果の利用・普及を期待するとともに、地域・企業における応用・改変にむけた連携が可能である。

・帰宅困難者対策など、企業の地域防災対策に関する研究
大都市で巨大災害が発生した場合は、大量の人が地震後一斉に徒歩や車で移動することで、群集雪崩の発生、消防車や救急車の活動遅延、避難行動の阻害などで、人命が失われる危険性がある。本研究室では帰宅困難者対策について、対策協議会などの政策に深くかかわるほか、帰宅困難者を受け入れ/滞留させる施設を対象とした図上訓練キット「帰宅困難者支援施設運営ゲーム(KUG)」を開発し、HP上で公開している。地域特性や会社の特性に合わせて用いることで、効果的な図上訓練を行うことができる。この他、避難行動や計画運休時の対応など企業の地域防災対策に関する研究も行っている。
http://www.u-hiroi.net/kitaku.html 

・巨大災害時疎開シミュレーションなど、都市のレジリエンスに関する研究
巨大災害が発生し多くの被災者が住まいを失うと、仮設住宅を求めて多くの被災者が疎開を行う可能性がある。この結果、被災者が支援の手から漏れることで震災関連死に至る、被災地の人口が激減するなどの影響が予想される。また、復興時に産業集積地がどこに立地するかによって、都市内の人口分布が大きく変わることも考える。本研究室では、南海トラフ巨大地震や首都直下地震を見据え、これら巨大災害時の疎開シミュレーションや国土復興シミュレーションを作成している。
http://www.u-hiroi.net/sokai.html 

・地下空間の防災対策
 わが国には約80箇所の地下街があり、そのほとんどが鉄道駅を中心として地下へ広がる構造を有している。なかでも、大都市部である東京・名古屋・大阪の主要駅には巨大な地下空間ネットワークが広がり、利用者が1日あたり10万人以上となる地下街も多数存在する。地下街の持つ快適性や利便性を保ちつつ、これまで以上に安心・安全な地下街を作っていくための研究を行っている。
(参照:廣井悠・地下街減災研究会著『知られざる地下街 歴史・魅力・防災、ちかあるきのススメ』河出書房新社2018年)

南海トラフ巨大地震発生時(陸側①ケース)を対象とした巨大災害時疎開シミュレーションに基づく人口増減
© 廣井研究室

東日本大震災時の都内における車道の大混雑
© 廣井研究室

関連情報

連携への希望

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