SDGs
連携提案
リアルワールドデータ(Real World Data, 以下RWD)とは、日常の臨床から得られる患者データの総称である。近年、IT技術の進歩などにより、レセプト・DPCデータ、疾患レジストリなどのRWDが徐々に整備されてきた。大学・研究所などの研究者のみがアクセス可能なRWDだけでなく、民間企業も利用可能な商用RWDもある。
臨床研究のgold standardはランダム化比較試験(randomized control trial, RCT)である。しかしRCTは倫理的・費用的な問題から実施困難であることが多い。すでに普及している治療法の再評価のためにRCTを実施することは困難である。救急治療や外科手術も多くの場合RCTの実施は難しい。希少疾患についても患者数の限界によりRCTはほぼ不可能である。
RCTを補完する手段として、RWDを用いた観察研究デザインによる質の高い臨床研究が世界的に増加している。RWDを用いた質の高い臨床研究は、RCTの役割を十分に補完し、医療の質の向上に大きく貢献することが期待されている。
多くの医学・薬学系の研究者、医療系の機関や企業等が、実際にRWDを用いた臨床研究をやってみたいと考えている。しかし、実際にRWDを用いた臨床研究を実践する上で、多くのハードルが存在する。大きく分けて、(i)研究デザイン、(ii)データ収集、(iii)大規模データのハンドリング、(iv)観察データの統計解析、(v)分析結果の公表、の各ステップにおいて取り組むべき課題が山積している。
当研究室は、RWDを用いた臨床研究を多数手がけており、多くの論文を公表してきた実績がある(http://webpark1262.sakura.ne.jp/wordpress_2/?page_id=114>)。
このような研究に興味がある企業・団体や自治体等との共同研究が可能である。
康永秀生著『できる!臨床研究 最短攻略50の鉄則』(金原出版、2017年)
© 康永秀生
康永秀生 他著『できる! 傾向スコア分析: SPSS・Stata・R を用いた必勝マニュアル』(金原出版、2018年)
© 康永秀生