腱を考慮に入れた新たなトレーニング法の開発
カテゴリー
- 医学・薬学
- 機械
SDGs
研究内容
この研究室では、ヒト生体を対象として『腱の可塑性と役割』について研究をすすめている。腱は単なる筋と骨の連結組織ではなく、その力学的特性(粘弾性)が筋機能やスポーツパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことが少しずつ分かってきた(e.g., Kubo et al. 1999 J Appl Physiol)。例えば、陸上短距離種目(100M)におけるパフォーマンス(走タイム)が優れる者ほど、膝伸筋群の腱ステイッフネスが低い(腱が伸びやすい)ことが明らかになっている(Kubo et al. 2000 Acta Physiol Scand; Stafilidis & Arampatzis 2007 J Sports Sci)。さらに、トレーニング様式の違い(負荷の大きさ、収縮時間、筋収縮様式、など)が、筋機能や筋量だけでなく、腱の力学的特性(ステイッフネス、ヤング率、ヒステリシス、など)に対して異なる効果をもたらされることが明らかにされつつある(e.g., Kubo et al. 2001 J Physiol; Kubo et al. 2007 Med Sci Sports Exer)。これらの知見は、パフォーマンス向上を目指す競技選手のトレーニングプログラムを立案する際に、腱の力学的特性に対する影響を考慮する必要性を示唆するものである。
筋力発揮中のアキレス腱の超音波縦断画像
安静時(写真上)から等尺性最大筋力発揮時(写真下)にかけて、アキレス腱が伸張される様子が超音波画像から観察できる。
© 久保啓太郎
想定される応用
本研究室ではまさにこのような観点より、これまで目を向けられることのなかった視点から、新たなトレーニング法を開発し、各スポーツ種目における競技力向上に寄与することを目指している。
連携への希望
これらの研究に興味を持つ企業等との共同研究を希望している。
関連情報
公開日 / 更新日
- 2021年11月22日
識別番号
- No. 00038-02