東京大学産学連携プロポーザル

超臨界水を利用した廃棄物からの有価金属回収

カテゴリー

  • 環境・エネルギー

SDGs

研究内容

 超臨界状態の水は、誘電率が低いことから、樹脂や油などの有機物をよく溶解する一方、金属などの無機物の溶解度は低い。この特徴を利用することで、有機物と有価金属が混合した廃棄物から、金属のみを効率的に分離回収することが可能になる。またこの時、有機物に関しては樹脂のモノマーや油として回収することや、処理に酸素を共存させることで二酸化炭素まで完全に酸化分解することが可能である。

 この研究室では、酸化鉄と研削油の混合物である製鉄スラッジからの酸化鉄回収や、シリコンと研削油の混合物であるシリコンスラッジからの金属シリコン回収、プリント基板からの金・銅回収、レントゲンフィルムからの銀化合物回収に本技術が有効であることを見出している。また、有機物が分解する際の金属との相互作用を利用することで回収資源の酸化数を変化させることが出来ることや、装置設計(半回分式装置の利用)により回収資源の純度を向上出来ることを明らかにしており、回収資源の付加価値向上に向けた方法論の検討を進めている。

超臨界水を利用した有機・無機混合廃棄物からの有価物回収
© 大島・秋月研究室

超臨界水を利用した製鉄油スラッジからの酸化鉄回収
© 大島・秋月研究室

想定される応用

本技術は、様々な廃棄物からの有価金属回収に有効であると考えている。

連携への希望

関心ある企業と共同研究を進めたい。

関連情報

関連論文:J. Supercrit. Fluids, 75 (2013); 廃棄物資源循環学会論文誌, 24 (2014) 71 など

公開日 / 更新日

  • 2021年11月30日

識別番号

  • No. 00071-02

カテゴリー

  • 環境・エネルギー

SDGs

公開日 / 更新日

  • 2021年11月30日

識別番号

  • No. 00071-02