日本型農場制農業確立に向けた研究 ―耕地分散克服への取り組み―
カテゴリー
- 農林水産・食品
- 経済・経営・政策・法律
SDGs
研究内容
日本農業の宿命は零細分散錯圃制(小さな農地がばらばらに点在している状況)にある。これは、災害等のリスク分散を図るために歴史的に形成されてきた。農業構造改革には規模拡大が必要だが、規模拡大すればするほど経営耕地の分散は激しくなり農業機械の移動時間が増加してしまい、経営効率はそれほど高くはならない。また、農地が分散していると近くの圃場で散布された農薬が紛れ込んだり、水管理の自由度が奪われたりするため、例えば完全無農薬無化学肥料栽培の有機農業の実現は難しいといった問題も発生している。本研究では、大規模水田経営の規模拡大過程を現地実態調査から明らかにし、そうした経営が直面している圃場分散問題の実情、それへの対応などを具体的に明らかにすることを目的としている。最終的には農地の面的集積を実現するための手法を開発し、日本型農場制農業の確立を展望したいと考えている。
20ha規模の経営耕地分散(1995年)
規模拡大優先の結果、分散が激しい
© 安藤 光義
40ha規模の経営耕地分散(2010年)
大規模農家の間で借地交換を行い、また互いにエリア分けを行いながら圃場分散に対応
© 安藤 光義
公開日 / 更新日
- 2021年12月21日
識別番号
- No. 00101-02