安藤 光義教授
大学院農学生命科学研究科 農業・資源経済学専攻
SDGs
連携提案
農業政策を研究テーマとし、以下のような課題について現地調査による実証研究を行っている。
①農家の相続慣行の変容
②農業経営の継承問題
③都市農家の相続税対応と農地保全との関係
④農地制度・農地税制が農家の土地利用行動に与える影響
⑤担い手農家への農地集積手法
⑥集落営農等生産組織の政策的評価
⑦農村地域資源管理手法(土地改良区が担う地域資源管理機能)など
これらの研究に関心のある企業・地方自治体当に学術指導・コンサルティングを行うことが可能である。
事業化プロポーザル
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都市農家の再評価とその存続に向けたコンサルティングこの研究室では、農地転用の性格の変化、これまでの計画的な農地転用への取り組みや政策の限界を指摘し、今後の農地転用のあり方にとどまらず、まちづくり・むらづくりを射程に入れた土地利用をめぐる問題提起を行う研究を行っている。 近年、都市農家・都市農業に対する評価は大きく変化し、残地としての都市農地という考え方を見直す必要が出てきている。これまで都市農地が存続してきたのは私的経済主体としての都市農家の行動原理に基づくものであったが、その存在は安定したものではなく、都市に残された貴重な農地の公有地化も難しくなっている。現在の矛盾の根本的な解決は困難であることを前提に、市民のニーズに応えられるような実現可能な制度改革を提起しつつ、農的な土地利用を拡大して都市の修復を行いながら、最終的にそれをゾーニングに反映させていく取組が必要であると考えている。
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日本型農場制農業確立に向けた研究 ―耕地分散克服への取り組み―日本農業の宿命は零細分散錯圃制(小さな農地がばらばらに点在している状況)にある。これは、災害等のリスク分散を図るために歴史的に形成されてきた。農業構造改革には規模拡大が必要だが、規模拡大すればするほど経営耕地の分散は激しくなり農業機械の移動時間が増加してしまい、経営効率はそれほど高くはならない。また、農地が分散していると近くの圃場で散布された農薬が紛れ込んだり、水管理の自由度が奪われたりするため、例えば完全無農薬無化学肥料栽培の有機農業の実現は難しいといった問題も発生している。本研究では、大規模水田経営の規模拡大過程を現地実態調査から明らかにし、そうした経営が直面している圃場分散問題の実情、それへの対応などを具体的に明らかにすることを目的としている。最終的には農地の面的集積を実現するための手法を開発し、日本型農場制農業の確立を展望したいと考えている。