哺乳類胚の3Dイメージングデータを対象とした自動画像解析・定量データ解析
カテゴリー
- バイオテクノロジー
- 医学・薬学
- 農林水産・食品
- 情報・通信
- 基礎科学
SDGs
研究内容
近年の蛍光タンパク質技術・顕微鏡技術の発展に伴い、分子・細胞・発生・神経・免疫などの様々な現象をバイオイメージングデータが創薬・再生科学・免疫学・脳神経科学の実験現場で加速的に生産されつつある。日本は蛍光タンパク開発および顕微鏡技術の開発において産学ともに世界をリードする研究を行ってきているが、そこから得られるデータの活用については世界の後塵を拝している。
本研究室ではイメージングデータを対象とした画像解析およびそこからえられる定量データの統計的解析技術開発を、特に哺乳類胚を対象とした3Dデータを用いて進めている。具体的には、狭小点顕微鏡で経時的に計測された初期胚の核の3D画像から自動でその位置関係を同定し、その後手動での確認・補正を経て、自動にて発生中の分裂や移動を追跡するシステムを構築している。
初期胚画像解析の概念図とその例
核を蛍光タンパク質でラベル化し、狭小点顕微鏡を用いて計測された3D画像からの核位置の自動同定(上)。同定された核位置を用いた発生動態の追跡(下)
© 東京大学生産技術研究所 定量生物学研究室(小林研究室)
発生動態における細胞分裂系譜の再構成
画像データのみから再構成した発生動態における細胞分裂に伴う細胞系譜。胚内での細胞の位置を色を用いて表示してある。
© 東京大学生産技術研究所 定量生物学研究室(小林研究室)
想定される応用
我々の技術は、哺乳類胚の発生動態を解析するという基礎生物学的な応用だけではなく、胚発生を定量的にとらえるという観点から、家畜繁殖や生殖医療などにも貢献することが期待される。
連携への希望
多様なスクリーニングや現象の定量化に必要となる画像・データ開発の製品化に取り組むグループは相談していただきたい。
公開日 / 更新日
- 2021年12月22日
識別番号
- No. 00126-02