神経科学的知見に基づいた効率的な運動スキル獲得・リハビリテーション方法の開発
カテゴリー
- 医学・薬学
- 社会・文化・教育
- 基礎科学
SDGs
研究内容
しばしば「身体が覚える」という言い方をするように、運動スキルの獲得は人の意識に上らない潜在的なレベルで行われている。この研究室では、比較的単純な運動課題を用いて、運動のパフォーマンスやエラーの情報をもとに、脳が運動指令を逐次修正していく過程についての研究を行っている。その結果、トレーニング時の様々な要因(反対側の手の運動を伴うかどうか、試行間の時間間隔、スケジューリング、報酬や罰など)が、運動学習の成果に大きな影響を及ぼすことが、実験的、理論的に明らかになってきた。
ハンドルを操作して、画面上のカーソルをターゲットまで周期的に往復運動させる運動を学習(左:ハンドルとカーソルの動きには30度のずれが与えてある)。ずっとカーソルを見せるよりも4,5周期に1回だけ見せた方が学習成績が良くなる(右)。
© 野崎大地
両手を同時に動かして、画面上のカーソルとターゲットまで到達させる運動課題(左)を、左手に力場をかけた状態で行えるよう学習させる(中)。力場の方向や大きさが、両手の運動方向に複雑に依存している状況にも容易に適応できる(右)。
© 野崎大地
想定される応用
これらの基礎的な知見を応用し、潜在的な脳内の運動学習過程にはたらきかけることで、より実際的な運動スキルの獲得(例:野球、ゴルフ、楽器演奏)やリハビリテーションにおいても、最適なトレーニング戦略を構成することができると考えている。
連携への希望
この研究に興味を持つ企業、医療機関などとの共同研究を希望する。
公開日 / 更新日
- 2022年01月12日
識別番号
- No. 00256-01