劇場、公共ホールおよび公民館等を拠点にした舞台芸術および市民活動のアーカイブ化とその活用
カテゴリー
- 社会・文化・教育
SDGs
研究内容
資料を有し、資料を活動の基盤にすえる点で共通する図書館、博物館、文書館の連携可能性が、近年「MLA」という枠組みで論じられている。一方、資料をもたない活動を基盤とする劇場や公共ホール、公民館なども、活動の蓄積により地域の歴史を刻む拠点となりうるはずなのに、資料の蓄積が重視されることはあまりないのが実態である。いいかえれば、アーカイブの思想が、資料を有する他の上記施設に比べて貧困であるという課題を有する。そうしたなかで、今後はこれらの施設において、アーカイブ活動をその機能の一つとして位置づけていくことが求められている。
新藤浩伸『公会堂と民衆の近代 歴史が演出された舞台空間』(東京大学出版会、2014)
西東京市芝久保公民館30年のあゆみ公民館職員や市民の熱意により保管してきた資料によって作られた年史。アーカイブそのものだけでなく、アーカイブ化のプロセスに多様な当事者が関わり学んでいくプロセスもまた重要である。
© 新藤浩伸
想定される応用
構築されるアーカイブは、調査研究に資するのみならず、アーカイブを活用した展示空間やカフェの設置といった方策により、歴史的文化的資源の多様な活用も可能にするだろう。さらには、地域のなかで、あるいは国内外のホールをむすぶ知的ネットワークの拠点にもなりうる。
連携への希望
現在国内外いくつかの施設に先行事例を学んでいるところであるが、こうしたアーカイブ活動に関心をもつ施設や自治体、企業等があれば、ぜひ協力して「人の活動のアーカイブ」という新しい領域を開拓していきたい。
公開日 / 更新日
- 2022年02月04日
識別番号
- No. 00259-02