「ブロックチェーンイノベーション寄付講座」:ブロックチェーン技術と起業・経営ノウハウ学習の場を提供
茂木 源人大学院工学系研究科 附属国際工学教育推進機構
近年、ビットコインやイーサリアムを始めとするブロックチェーン技術は今後社会に大きなイノベーションをもたらすと言われている。しかし、ブロックチェーンの有効な活用のためには、既存のビジネスとは大きく異なる柔軟な視点が必要な上、情報科学、経済学、法律、起業ノウハウなど分野横断的な知識と経験を要する。そこで、東京大学大学院工学系研究科は「ブロックチェーンイノベーション寄付講座」を開設し、参画企業と連携しながら「技術開発」「社会実装」「人材発掘・開発」を軸とした活動を行っている。 その中で、学生とともに新たなブロックチェーンビジネスモデルの創出と、その基盤となる技術開発に取り組んでいる。具体的には、CO.NECTと称したブロックチェーン学生起業家支援プログラムを開催している。これは、学内外より極めて優秀な学生を募集・選抜し、約4ヶ月半の期間中、参加学生は自身のオリジナルの事業立案、それを実現するためのサンプルアプリケーションの実装を行う。学生は、期間中「人的サポート」「環境サポート」「資金サポート」の3つのサポートを受けることができる。「人的サポート」とは参画企業からブロックチェーン技術のみならず経営ノウハウや、法律面など多岐にわたるアドバイスを受けられるもので、「環境サポート」はキャンパス内にある知的活動に集中できる空間が提供される。「資金サポート」は参加学生への報酬、さらに事業開発のために必要な資金の提供をするものである。 一方、CO.NECTの活動のプロセスで得られたブロックチェーン技術の社会実装に関する技術的問題点に対して研究を行っていき、より社会的ニーズの高い研究成果を出していく。