松村 欣宏准教授
先端科学技術研究センター
SDGs
連携提案
生物は命を維持するために様々な環境に適応する必要がある。私たち体の中の細胞は、ゲノム、タンパク質ネットワーク、代謝システム、そして後天的ゲノム修飾であるエピゲノムを総動員して、環境に適応している。「エピゲノム」はDNAメチル化やヒストンの翻訳後修飾により規定される遺伝情報であり、外的環境に適応するための細胞記憶である。脂肪細胞は栄養を脂肪として貯蔵する器官であり、本来飢えと寒さから生命を守るために発達してきた。しかし文明が進歩し便利になった現代社会では、過剰な脂肪の蓄積によって脂肪細胞が正常な生理的機能を発揮できず、糖尿病や高脂血症などの生活習慣発症の一因となっている。脂肪細胞が栄養環境や寒さに適応するしくみを明らかにするために、遺伝子発現解析、エピゲノム解析、メタボローム解析、プロテオミクス解析などのシステム生物学的アプローチによる研究を行っている。脂肪細胞の環境適応のしくみが分かることで、脂肪を蓄えやすい、燃焼しにくいといった体質を改善することが可能となり、メタボリックシンドロームの予防・治療へとつながる。
この研究に関心を持つ企業・団体との連携を希望する。