SDGs
連携提案
専門分野は哲学、比較文化、医療史。対話技法による哲学の社会的実践として以下のような取り組みを進めている。
私たちが自由にものを言える場というのは、実はほとんどないと言っていい。学校でも会社でも、家の中ですら、言ってはいけないこと、言うべきことのルールが決まっていて、みんなそれに従って話している。従わなければ、明に暗に否定されるか排除される。そしてルールに従う人も従わない人も、ルールが決めた枠の中でしか考えられなくなっていく。
「哲学対話」は、そうして生活の中で縛られ、身動きが取れなくなっている言葉と思考を解放し、異なる考え、異なる立場を互いに尊重しつつ、連帯感をもって語り合える場を生み出す。それは「哲学する」=思考を広げ深める体験をする場をすべての人に開く活動である。現在、駒場キャンパスの「共生のための国際哲学研究センター(UTCP)」には、「哲学をすべての人に」というプロジェクトがあり、様々な形で哲学対話を実践している。これまで講演、ワークショップ、小中高での授業、コミュニティ活動、地方の町や村での地域おこし、高校生のための哲学キャンプなどを行い、年齢も性別も世代も越えた対話を行ってきた。
2022年度からは、高校生や大学生を中心とする若い世代が哲学を通じて交流する「考えるコミュニティ」を作ること、および哲学をはじめとする人文・社会科学による社会連携のプラットフォームを作ること、この二つをUTCPの中心に据えて活動をさらに展開していく。
自治体や地域のコミュニティ作り、組織内のコミュニケーションの促進、チームビルディング、ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組み、教育における思考力・対話力の育成など、こうした実践に興味のある企業・自治体・団体等、様々な人たちと連携し、活動を広げていくことを希望する。
「コミュニティボール」
このボールを投げたり受け取ったりして対話を進めていく。
© 梶谷 真司
「「母」をめぐる哲学対話」
「母」について、現役のお母さん、お父さん、学生、年配の人が一緒に哲学対話を体験。
© 梶谷 真司