伏信 進矢教授
大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻
SDGs
連携提案
当研究室では、様々な酵素(タンパク質)に対して個々の立体構造を解き明かしながら、その機能や働きの成り立ちを探る研究を進めている。現在の研究対象は、ビフィズス菌が腸内で各種のオリゴ糖・糖鎖を分解する酵素、様々な刺激や分子の入り口となる受容体や輸送体タンパク質、バイオ燃料の生産に用いられるバイオマス分解酵素などである。これらの酵素やタンパク質には、基礎の枠を超えて実用面でも関心の高いもの、あるいは未だ解析されずにいるタンパク質が多く含まれており、改変をほどこすことにより有用物質の生産に用いられるものもある。
産業上有用な控訴の応用技術開発に関心のある企業との連携を希望する。
事業化プロポーザル
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産業上有用酵素の利用技術開発支援この研究室では主に微生物に由来する各種の産業上有用酵素について研究を行った実績がある。例えば、バイオ医薬品糖タンパク質(IgGなどの抗体医薬)の糖鎖を切断するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ、アクリルアミドの工業生産に用いられるコバルト型ニトリルヒドラターゼ、脂質を分解できる好熱性リパーゼ(カルボキシエステラーゼ)、位置特異的な水酸化反応を触媒して抗生物質生産や化合物変換を行なうP450酵素、キラル化合物の合成に用いられるNAD(P)H依存性デヒドロゲナーゼ、C-C結合を加水分解して切断することにより難分解性物質を分解する酵素などである。
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糖質関連酵素の立体構造解析とそれを利用した酵素の高機能化糖質関連酵素とは、グリコシド結合に作用する酵素の総称である。澱粉やセルロースなどの多糖に作用する酵素(アミラーゼやセルロースなど)だけでなく、高等生物の細胞表面に存在する複雑な糖鎖に作用するものも含む。例えば、澱粉、乳糖、蔗糖などの安価な可食性糖質に作用する酵素は新規な食品素材を生産するなどの応用が期待できる。また、セルロースやヘミセルロースなど植物細胞壁に作用する酵素は、非可食性糖質をバイオ燃料などの生物素材に変換する機能も持っている。一口に糖質関連酵素といってもその種類は驚くほど多く、加水分解酵素ファミリーに限ってもこれまで約160もの種類が発見されている。 この研究室では主に微生物に由来する糖質関連酵素の立体構造解析において豊富な業績、知見、知識を有している。