菅野 太郎准教授
大学院工学系研究科 システム創成学専攻
SDGs
連携提案
ヒューマンシステムデザインをテーマとして、以下のような研究を行っている。
○チーム協調・組織連携
チーム認知や協調・連携デザインに関する研究を行っている。哲学、心理学、社会学、シミュレーション科学などの学際的知見を活用し、理論的研究・基礎研究から実践研究まで行っている。特に、「相互信念」という対人信念機構に基づき、コミュニケーションや共有といった協調・連携プロセスの説明および協調・連携のデザイン、支援技術の開発に取り組んでいる。
○メゾ・マクロ認知
医療・看護や災害対応などの実現場における人の認知行動のメカニズムの理解に関する研究(マクロ認知研究)を行っている。マクロ認知研究だけでなく、コンテキストそのものをモデル化・形式化し、それに基づいて現場コンテキストの本質を損なわずに実験室に簡易実験環境を構築する方法論(メゾ認知研究)の提案やシステマティクな訓練デザインに関する研究を行っている。
○人間中心のレジリエンス工学
事故や災害、社会環境の変化、不正や組織の硬直化など、起こりうるあらゆる状況に対し人、チーム、組織、コミュニティ、社会に回復不能な決定的な損失を生じさせないための人・人工物・制度を設計・管理するための研究を行っている。災害復旧最適化シミュレーション、意見形成・レジリエンスに関する社会シミュレーション、災害対応訓練シナリオマネジメントなど人間中心のレジリエンス工学研究を行っている。
研究成果の実装や共同開発に関心のある企業・地方自治体・教育機関・医療福祉機関等との連携を希望する。
事業化プロポーザル
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災害対応訓練シナリオ作成・管理支援技術この研究室では、災害対応訓練シナリオの作成・管理支援技術の開発を行っている。新しい災害想定の作成、それに基づく訓練資料(タイムテーブル、状況カード、ナラティブ記述など)作成、データベース構築、他部署・他組織との知見共有、等を支援する機能をこれまでに開発した。現在、拠点病院向け訓練を対象とした統合システムも開発中である。
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行動・発話分析に基づく知識・コンピテンシー分析様々なサービス領域においてサービス提供者にどのような知識やスキル、態度が必要とされるかを理解、整理することは高付加価値のあるサービスを提供するために不可欠である。この研究室では,このようなコンピテンシー分析に必要とされるインタビューやフィールド観察の設計、データ収集・分析手法の開発、可視化、オントロジー構築という一連の技術に関する研究を体系的に行っている。これまでにも災害時の看護サービスに要されるコンピテンシー抽出や教材開発等の実績がある。
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危機対応シミュレーションを用いた危機対応教育・訓練支援大規模災害等の危機対応では組織・部署間の連携の良し悪しが被害の軽減を大きく左右する。この研究室では情報伝達や意思決定といった危機対応における人の判断・行動に焦点を当てた危機対応シミュレータの開発を行っている。このシミュレータでは,様々な災害シナリオや防災体制を入力情報とし、組織・部署間の情報伝達のプロセスや各部署におけるワークロードの評価等を行うことができる。またユーザー参加型シミュレーション(図参照)への拡張も行っている。