金井 求教授
大学院薬学系研究科 薬科学専攻
SDGs
連携提案
「分子をデザインし合成できる」有機合成化学のCreativity を最大限に発揮して、
(1) 分子をつくる
(2) 機能をつくる
(3) 秩序をつくる
の3領域の研究を進めている。
3領域とも新しい触媒反応系の構築を鍵とし、相互にイマジネーションを与え合い発展しうるものであり、これらの研究成果の医療・創薬への応用に関心を持つ企業との連携を希望する。
事業化プロポーザル
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がん等の次世代疾患治療法を志向した染色体タンパク質(ヒストン)修飾化学触媒システムがん治療薬・診断薬には多くの研究リソースが投入されているが、がんの発症・進行メカニズムが複雑多様化している現状をみると、新規がん治療薬・診断薬の開発の重要性が益々重要である。 当研究室では、触媒化学の高度な知識とノウハウを結集し、生体への人工触媒反応の介入による新しい疾患治療パラダイム「触媒医療」の実現を目指している。 例えば、酵素による染色体タンパク質(ヒストン)のアシル化修飾は遺伝子の転写を促進するが、一部のがん細胞では酵素の機能が低下し、がん抑制遺伝子などの転写が抑制されていることが知られている。そこで我々は、化学修飾によってエピジェネティクスを制御する二種類の化学触媒システムを開発した。
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アミロイド性凝集タンパク質を無毒化する化学触媒アルツハイマー病の発症には、アミロイドβペプチド(Aβ)が脳神経細胞外にて凝集線維化し、神経細胞を傷つけることが関与していると考えられている。 当研究室では、触媒化学の高度な知識とノウハウを結集し、生体への人工触媒反応の介入による新しい疾患治療パラダイム「触媒医療」の実現を目指している。今回、Aβを始めとする毒性凝集体アミロイドタンパク質と選択的に反応して、これを無毒化する触媒を開発した。この触媒は、Aβ毒性凝集体が持つアミロイド構造と呼ばれる構造に結合したときのみ活性化されるため選択性が非常に高く、生細胞存在下でAβ毒性凝集体の選択的酸素化が進行し、その毒性を低下させることに成功している。