佐藤 克文教授
大気海洋研究所 海洋生命システム研究系海洋生命科学部門
SDGs
連携提案
バイオロギング研究を行っており、動物搭載型の小型記録計を用いて、ウミガメ、ペンギン、アザラシ、クジラ、海鳥等 様々な水生動物の行動を解析している。最近はデータロガーを取り付ける対象動物が魚類から哺乳類にまでおよび、比較行動学を行い、すべての水生動物を貫く一般法則を見つけるべく研究を行っている。
バイオロギングによって得られるデータは大気海洋環境の観測にも応用でき、新たな観測基板となる可能性もある。このようなデータの利活用や計測機器の共同開発などに関心のある企業・地方公共団体等との連携・協力が可能である。
バイオロギングによって得られるデータは大気海洋環境の観測にも応用でき、新たな観測基板となる可能性もある。このようなデータの利活用や計測機器の共同開発などに関心のある企業・地方公共団体等との連携・協力が可能である。
事業化プロポーザル
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海鳥をつかって海表面流や海上の風向・風速を観測する海表面の流れや海上の風情報は、大気と海洋の相互作用を理解する上で欠かせない要素である。近年ではリモートセンシング技術の発達により、気象衛星を用いて全地球規模の海表面流や海上風を推定できる。しかし、気象衛星による観測は1日最大2回という時間解像度のため、環境の細かい時間変化を捉えられない可能性がある。さらに、沿岸域では陸地の影響で衛星による推定が困難である。 滑空するミズナギドリやアホウドリの飛行をバイオロギングによって測定したところ、海鳥の位置情報から、海表面流や海上風を推定することができた。このデータによって、従来の気象衛星による観測の空白を補間できるようになる。これまでの研究で、動物を用いた海洋観測で得られたデータを大気・海洋モデルに入力するとモデルの予測精度が向上することが知られている。
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動物が記録する科学:バイオロギングサイエンス海洋や空中といった三次元空間を自由に動き回る野生動物は、直接観察が難しいために、その行動や生活史、あるいは周辺環境について多くの謎が残されている。小型の記録装置を動物に搭載し、動物自身にデータをとってこさせるバイオロギング手法によって、想定していない意外な発見も含め、数多くの発見がもたらされた。 1.深度・速度・加速度・地磁気・緯度経度・温度・高度といったパラメータの時系列記録により、動物の水中や空中の3次元行動を秒単位で把握できるようになり、個々の生態解明のみならず、種間比較研究が可能となった。 2.静止画や動画を記録できる動物搭載型小型カメラの開発により、動物目線で周辺環境や他個体との相互作用を研究できるようになった。 3.塩分記録計や採血装置の開発により、動物の生理行動情報を生息環境下で測定できるようになった。