舘 知宏教授
大学院総合文化研究科 広域科学専攻
SDGs
連携提案
専門は、構造形態学、コンピュテーショナルデザイン。研究室のテーマは、立体形状と構造機能の関係を幾何学と計算手法の観点から明らかにし、展開構造物や特殊な機能性を持つセル構造などを実現することである。
特に「折紙」が主要なテーマで、平坦でコンパクトな状態と立体的で剛性の高い状態とを繰り返し変形できる仮設建築物や、形を変えることで熱・光・音響などの環境コントロールを行えるデバイスなどの応用が考えられる。
研究トピック:
– 折紙工学
– 計算折紙
– 自己組み立て・自己折り
– 構造形態学
– 展開構造
– コンピュテーショナルデザインとファブリケーション
このような研究の応用・実用化に関心のある企業との連携が可能である。
事業化プロポーザル
-
折紙を用いたポータブル建築空間折紙の折り畳みを応用した,ポータブルでアダプティブに変形する建築デザインの提案を行っている。折紙の建築スケールでの実現において重要な問題点の一つに,紙で作ると一見動くように見えても,厚みのあるパネルと回転ヒンジで実現すると,機構が成立せず,パネルに歪みが発生し致命的になる,という問題がある。この問題を厳密に考え,拘束された機構を解く「剛体折紙」の研究を行っている。折りによる拘束が特異となるようなパターンを探索することで連続的な変形メカニズムを保証したり,全体変形を脚部位置のみでコントロールするための,計算機を用いたインタラクティブなデザインおよびシミュレーション技術を開発している。(Rigid Origami Simulator,Freeform Origami,http://www.tsg.ne.jp/TT/software/で公開)
-
コンピュテーショナル・オリガミのファブリケーション応用折紙は紙を折ることで様々な形を作る伝統的な遊び・創作活動であるが,近年では学際的な研究分野としても国際的な広まりを見せている。本研究室では,折紙をファブリケーションや物理ベースデザインへ応用するために,コンピュテーショナルなアプローチで折紙の数理と図学に関する研究を行っている。 建築空間や人が日常的に体験するものを作るためには,使う人によってそれぞれ異なる要求また空間的に異なる条件を加味した一つ一つ異なるデザインをする事が望ましい。このようなものづくりでは,効率的に一つ一つ異なる形を作る技術が求められる。ここで折紙を,金属や複合材シートにレーザー加工など二次元CNC加工で折り目を施し,折りによって成形するという成形技術として応用できる。本研究室では,任意三次元形状を折りパターンへと展開し,それを折ることで元の形状を得られるソフトウェアシステム「オリガマイザー」を開発している(http://www.tsg.ne.jp/TT/softwareにて無償公開)。また,折り線を曲線とすることで,複雑な形状を作る「曲線折り」の研究も行っている。