SDGs
連携提案
近年の国際交流の増加に伴い、異文化に接する機会が増加していると言われる。しかしながら「異文化」とは、必ずしも国や言語の違いの中にのみ存在しているわけではない。同じ国に暮らし、同じ言語を有する人々どうしの間でも、個人の価値観(信念・規範の体系)のあり方は極めて多様である。真の意味での相互理解・相互交流のためには、そうした差異を適切に踏まえ、かつ尊重し合うという態度が求められている。
本研究室では「異なる価値観の間に架橋する」ことを目的とし、1)言語運用を評価する際に用いられる価値観の記述、2)価値観を構成する信念・規範の分類整理とモデル化、3)自らの価値観の自覚を促し、他者の価値観を尊重する態度を涵養する研修の開発・実施、4)研修の効果・研修参加者の変容に関する調査研究、などの活動を行っている。
メンバー間の価値観の相違を、マイナス要因としてではなく、活力を生み出すプラス要因として捉え、活用したいと考えている企業・団体との協働を期待している。
宇佐美洋著『「非母語話者の日本語」は、どのように評価されているか』
(ココ出版、2014)
日本語の非母語話者が書いた謝罪文を、母語話者が評価するプロセスの多様性を示すとともに、その多様性・普遍性の両面を説明しうる「評価プロセスモデル」を提示した研究。
宇佐美洋編『「評価」をもって街に出よう』(くろしお出版、2015)
「評価」という行為を、能力や学習成果の値踏みとしてではなく、「価値観に基づく判断」として拡張的にとらえなおした諸論考を集めた論文集。教室という場を超えた、自由闊達な認知行為としての「評価」が、様々な視点から論じられている。