岡部 洋二教授
生産技術研究所 機械・生体系部門
SDGs
連携提案
航空機・自動車等への適用が進む軽量複合材料構造を対象として、その健全性を簡便に診断するための、光ファイバ超音波センサによる構造ヘルスモニタリング技術や、レーザー超音波を用いた非破壊検査技術に関する研究を進めています。さらには、高温などの極限環境にも適用可能な検査システムの構築を試みています。このような研究の応用、実用化に関心を持つ企業との連携を希望しています。
事業化プロポーザル
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極限環境での損傷発生を検知可能な光ファイバ超音波センサ構造材料に損傷が発生すると、それに伴って超音波AE信号が発生する。そこで、このAE信号を計測することで、構造材料の健全性を診断することができる。しかし従来の圧電素子によるAEセンサでは、電気を使用しているため危険な場所での使用ができず、また、使用可能な温度域に制限がある。 当研究室では、これまでに、優れた感度と広帯域応答性を有する光ファイバ超音波センサの開発に成功し、これにより微弱なAE信号も計測できている。しかも、光ファイバの耐環境性と柔軟性を生かし、図のように光ファイバ自身を超音波のウェーブガイドに利用することで、1000℃レベルの高温環境下で発生するAE信号の遠隔計測も可能になった。さらに、AE信号の正確なひずみ波形を取得できるため、その発生源となる損傷の形態を識別しやすい。よって本システムは、特殊な極限環境下における構造材料の破壊プロセスの解明に、貢献することが期待できる。
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超音波を用いた複合材料構造の健全性診断技術近年、CFRPを代表とした複合材料構造の航空機や自動車等への適用が進んでいる。これにより大幅な軽量化が図れる一方で、その複雑な内部損傷の診断が課題となっている。そこでこの研究室では、小型・軽量・柔軟な超音波送受信素子を構造部材に組み込み、板状の複合材料構造に超音波ガイド波を伝播させることで、簡便かつリアルタイムで損傷の有無を診断する構造ヘルスモニタリング技術に関する研究を進めている。さらに、レーザー超音波を用いた非接触での非破壊検査法を複合材料構造に適用する研究も進めている。