蓄電可能な新型太陽電池の開発
研究内容
瀬川研究室では、発電とともに蓄電も可能な太陽電池を開発した。これは、色素増感型太陽電池の内部に二次電池構造を組み込んだもので、酸化チタンナノ粒子と有機色素を組合せた発電電極、導電性高分子による蓄電電極、電流を取出すための対抗電極の3電極により構成されている。光が強いときには発電しながら余った電気を蓄え、光強度が弱くなったときには蓄えた電力を使用できるものである。既に、この原理に基づく電池を試作し、蓄電が可能であることを確認している。図1は光を当てたときの発電・ファンの回転状況であり、図2は光をとめたときの蓄電によるファンの回転状況である。図1、2の試作品ではガラス基板上に発電電極を構成したものを用いたが、フィルム基板を用いることにより小型軽量かつフレキシブルにすることが可能である。このメカニズムを利用して作成した蓄電機能内蔵太陽電池デザインパネル「アナベル」の写真を図3に示す。
図1 光をあてたとき
© 東京大学 瀬川研究室
図2 光をとめたとき
© 東京大学 瀬川研究室
図3 蓄電機能内蔵太陽電池パネル「アナベル」
© 東京大学 瀬川研究室
連携への希望
今後、この電池の性能向上を図り、実用化を目指した研究を進める予定であり、企業との共同研究を希望している。
公開日 / 更新日
- 2022年05月20日
識別番号
- No. 00162-01