超強磁場における分子結晶のスピン制御分子立体配置
カテゴリー
- 素材
- エレクトロニクス
- 基礎科学
SDGs
研究内容
スピンをもつ分子からなる分子結晶ではスピン構造と結晶構造が強く関連する。磁場によってスピンを制御することで分子の立体配置を変化させることが可能であるが、一般にその実現には強い磁場が必要である。当研究室では100テスラを超える超強磁場を用いることで分子配置を変化させ、分子結晶の新しい性質を探索する研究を行っている。酸素分子はスピン量子数S=1をもつが、最近、120テスラ以上の超強磁場において、分子の立体配置が変化し、これまでに知られていない新規相に相転移することが明らかになった。新規相はθ相と名付けた。詳細については不明な点も多く現在も調査中であるが、結晶構造は立方晶、分子が互いにねじれた配置をとっていると現在のところ予想している。一酸化窒素分子などからなる比較的単純な分子結晶や、ラジカル基をもつ低次元分子磁性体についても研究を進めている。
最高186テスラのパルス強磁場の磁場波形と固体酸素アルファ相の光吸収スペクトルの時間依存性。磁場誘起相転移が起こる強磁場領域でスペクトルが大きく変化する様子が観測されている。
© 松田康弘
連携への希望
固体酸素を含め、超強磁場下における物性の観察などについて、関心のある企業との連携や施設共用など支援の用意がある。
公開日 / 更新日
- 2021年12月23日
識別番号
- No. 00167-01