計算機と切削加工機による木工継手・仕口の設計・製作のためのインタラクティブシステム
カテゴリー
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SDGs
研究内容
釘を使わずに木材を接合する「継手・仕口」は日本の伝統的な工法であり、建築物や家具の製作に使用されている。伝統的な継手・仕口は美的外観、高品質、および加工性などの点において高く評価されているが、美的要件と機能的要件を満たす必要があるため、設計が非常に困難で、手作業の制作は熟練者にとっても手間がかかる。
この解決策として、本研究室では「継手・仕口」を設計・製作するためのインタラクティブシステムを新たに開発した。本システムは、計算機と切削加工機を用い、カスタムメイドの木工接合部のデザインと製作を容易にするものである。
まずユーザは接合部の加工性、組み立て可能性、強度など性能に関するリアルタイムフィードバックを受け取りながら、接合部を設計する。そして角を丸めるなどの処理をして、計算機制御の切削加工機により接合部を完成させる。このシステムにより、基本的なデジタル製造ツールにアクセスできる人なら誰でも、継手や仕口に関する専門的な知識がなくても、洗練された木製の接合部を作成することが可能となる。
なお、本システムの詳細については、関連情報に掲載のプレスリリース(PDF)をご覧いただきたい。
図1 ユーザのよる操作の例
© 五十嵐健夫研究室
図2 システムからのフィードバックの例
© 五十嵐健夫研究室
図3 本システムを利用して設計・製作した椅子
釘や接着材を使わずに、組み立て、分解、再組立てが可能である。
© 五十嵐健夫研究室
図4 実際に制作した接合部の例
© 五十嵐健夫研究室
想定される応用
本システムは、日本の伝統的な技術に新しい光を当て、部材の再利用向上に貢献するものである。
例えば、金属製の固定具を使用せずに、木材のみで接合を行うことによって、廃棄時における素材の混合を軽減でき、リサイクルの観点からも有益である。さらに、接着剤を使用していない接合を行うことより、製作物を破壊することなく分解することが可能となり、再度組み立てて再利用することが可能となる。また、一部が壊れた場合には、その部分だけを交換して修復することも容易である。
このように、再生可能材料である木材の利用可能性、環境上の利点をさらに向上させるものである。
連携への希望
本システムの実用化・製品化や利活用に関心のある企業との連携を希望する。
関連情報
公開日 / 更新日
- 2021年12月27日
識別番号
- No. 00232-13