光化学反応を利用した排煙脱硝技術
津江 光洋大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻
NOxを含む大気中に水蒸気を加え紫外線を照射することにより、減圧下(5.34kPa)、常温下でNO、NO2の低減が可能であることを確認した。また反応動力学を用いた数値計算から常温、大気圧下においても同様の傾向があることを明らかにした。この技術はNOx含有ガスが滞留しているような場所(地下駐車場、バス停交通量の多いトンネル)においてNOxを処理する脱硝装置になどに応用されることが期待される。 図1の説明: 白三角は、実験から求められたNO濃度(FTIRにより計測)を、実線は、数値計算によるNO濃度の予測結果を表す。紫外線照射後、約15分経過すると最初に100ppm存在していた大気中のNOの濃度はゼロとなる。その途中でNO2濃度(黒三角)が若干増加する(NOがNO2に変換されるため)が、NOと同様に約15分後には濃度はゼロとなる。それらは最終的には硝酸(HNO3)として回収される。