劇場、公共ホールおよび公民館等を拠点にした舞台芸術および市民活動のアーカイブ化とその活用
新藤 浩伸大学院教育学研究科 総合教育科学専攻
資料を有し、資料を活動の基盤にすえる点で共通する図書館、博物館、文書館の連携可能性が、近年「MLA」という枠組みで論じられている。一方、資料をもたない活動を基盤とする劇場や公共ホール、公民館なども、活動の蓄積により地域の歴史を刻む拠点となりうるはずなのに、資料の蓄積が重視されることはあまりないのが実態である。いいかえれば、アーカイブの思想が、資料を有する他の上記施設に比べて貧困であるという課題を有する。そうしたなかで、今後はこれらの施設において、アーカイブ活動をその機能の一つとして位置づけていくことが求められている。