消費者の決済手段選択
若森 直樹大学院経済学研究科 経済専攻
私たち消費者は買い物に行くたびに、「現金」「クレジットカード」「デビットカード」、あるいはSuicaに代表される「電子マネー」等で支払うかの選択に迫られる。どのような決済手段が用いられるかは、個人の属性(性別、年齢、学歴、居住地域、所有するクレジットカードなど)と買い物の属性(購入金額、種類、購入場所など)に依存することは知られている。私の研究では、平均などの統計量を用いるだけでなく、「消費者は自分の効用を最大化するように決済手段を選ぶ」という経済学の仮定の下で、各個人がどのように決済手段を選んでいるのかという「ルール」を明らかにしてきた。そして、カナダの実際のデータを用いて、カナダ全国の商店でカードの受取が義務付けされたときに、どの程度現金の使用が減るかの予想を行ってきた。